技術支援業務概要

内航船に最適な技術支援を

船舶の建造(基本計画を含む)の良否は、船舶の堪航性、安全性に加えて運航サービス、運航コスト(燃料費、保守整備費等)、船員の労働環境などを大きく左右します。
機構では、共有船の建造にあたって、専門の技術スタッフが、豊富な建造実績と技術ノウハウ、更に調査研究などを通じて入手した技術情報等をもとに、最適な内航船を建造するための技術支援を行っています。

豊富な建造実績と技術ノウハウ

貨物船約2800隻、旅客船約1000隻の建造実績と豊富な過去の建造データに基づき、省エネ設計、バリアフリー設計をはじめ、安全や環境に配慮した基本計画の策定、設計を実施しています。
共有船の建造にあたっては、蓄積された技術ノウハウを活用して図面審査、工事監督等を実施しており、それらの業務で得られた知見等をフィードバックして技術支援業務を改善し、より良い船舶の建造に向け努力しています。

シーマージンの選定
シーマージンの選定
利便性の高いバリアフリー施設
利便性の高いバリアフリー施設

調査研究等による技術情報

内航海運事業者が求める省力化、省エネ、安全性向上、船内労働環境の改善等について、外部有識者、関係事業者等と連携して調査研究を行っています。
その成果は、機構の技術ノウハウとして蓄積し、技術支援業務に活用するとともに、共有事業者に技術情報として提供しています。 また、調査研究結果を簡単にまとめたパンフレットを作成して配布しています。

主な調査研究テーマ

  • 小型旅客船における移動制約者の船上移動方法等に関する調査研究
  • タンク内塗料に関する調査研究
  • 電気推進システムに関する基礎調査
  • 小型旅客船の適正船型設計に関する調査研究
  • 船舶の状態解析評価に関する調査研究 他
各調査研究の要点をまとめたパンフレット
各調査研究の要点をまとめたパンフレット

船主の立場にあった技術支援

共有船の図面審査、工事監督に加えて、船主の要望に応じて次のような技術支援を行っています。

  • 小型旅客船等の基本計画の策定(航路調査、仕様書の作成等)
  • 就航後の技術支援(トラブル対策、保証ドック、船舶検査等の立会い等)
  • 各種技術調査(バリアフリー、規制関係調査等)
就航航路での岸壁調査
就航航路での岸壁調査
公平中立の立場での船主説明
公平中立の立場での船主説明

専門の技術者集団

造船工学、機械工学等の知識を有し、内航船の関係法令にも詳しい多数の技術者が、内航海運事業者等と密接な議論を重ねて技術支援を行っています。また、海運会社等との人事交流も行い、運航、建造等の面からの技術支援も可能な体制を確保しています。

毎年、全国で開催される協議会
毎年、全国で開催される協議会
ケミカル船の海上試運転
ケミカル船の海上試運転

計画から設計まで −省エネ、省力化、安全、環境保全−

内航海運を取り巻く環境の変化を的確に捉え、社会的ニーズ(バリアフリー、環境保全、省エネ等)に応える船舶を建造するため、建造の基本計画段階から技術支援を行います。

バリアフリーに配慮した船づくり

機構では、バリアフリー化船基準を策定し、設計指導を行うとともに、バリアフリーに関する調査研究を実施し、これを技術支援に活用しています。

バリアフリー設計の技術支援のポイント

  • 平成9年以降50隻以上のバリアフリー化された旅客船を建造し、豊富な実績と技術ノウハウを活用
  • 航路調査(利用者状況、潮位変化、気象・海象等)を実施し、設計に反映
  • ・潮位変化に対応した乗下船設備当の選定及び評価
    ・利用者状況、停泊時間に応じたエレベーター、昇降装置等の選定及び評価
  • 限定された空間にバリアフリートイレ、席、通路等を適正配置
  • 視覚障害者や高齢者に分かり易く情報を提供
バリアフリー対応階段昇降装置
バリアフリー対応階段昇降装置

環境対策・物流効率化に配慮した船づくり

機構では、内航船から排出される二酸化炭素等の低減、海洋汚染防止などの環境保全、内航船の荷役・運航効率の改善による物流効率化などの社会的ニーズに対応した船づくりに取組んでいます。
二酸化炭素低減化船基準、海洋汚染防止対策船基準等を策定し、船舶の計画・設計・建造にあたって技術的な助言を行っています。 平成17年度からは、環境にやさしく経済的な次世代内航船(スーパーエコシップ:SES)の建造を促進しています。

SESとは

従来船は、ディーゼル主機関の機械動力でプロペラを駆動しますが、SESは、複数の発電ユニットから電動機に電力を供給し、それでプロペラを駆動して推進するものです。機関室内の機器の小型化、配置の自由度が増すことで最適船型の採用、機関室スペースの縮小が図られ、推進効率の向上(省エネ)、貨物スペースの拡大、運航の安全性・信頼性の向上、機関部運転・保守作業の低減、低振動・低騒音のなどの導入効果が期待されます。

高効率の推進装置
高効率の推進装置
SES第1番船
SES第1番船

航路や輸送のニーズにあった船づくり

機構では、航路、輸送ニーズに適した船舶を建造するため、内航海運事業者の要望に応じて航路調査、基本計画の策定等を実施しています。

引き波対策

湾内を航行する旅客船等を高速化した場合、引き波が大きくなり航路周辺の港湾・漁業施設に悪影響を与え、トラブルが発生することがあります。このため、機構では、就航船のデータの比較、水槽試験データの解析等を行い、航路に適した船型等の検討を行っています。


経済性の高い船づくり

機構では、経済性の高い船舶の実現を目指して、省エネ、省力化に関わる調査研究を実施し、その成果を活用して技術支援を実施しています。

機関室の通風

機関室の通風を適正化することにより、機関の燃焼効率が向上して燃費が改善されるとともに、給排気温度が低下して排気弁等の部品の寿命が長くなり、機関の保守整備費も削減できます。

機関室通風量のシステム設計
機関室通風量のシステム設計

船底塗料

ドックインターバル等を勘案した船底塗料の選定などにより、船体整備費等の低減が可能となります。

快適性や労働環境に配慮した船づくり

機構では、旅客の快適性や船員の労働環境に配慮した船舶を建造するための技術支援を実施するとともに、廃油処理等に関する調査研究を実施しています。

騒音対策

機構では、旅客室等での快適性を確保するため、騒音レベル(55〜75デシベル)を設定し、これに適合するための設計支援を行うとともに、海上試運転時に騒音測定を実施して適合性を確認しています。

旅客船の騒音測定
旅客船の騒音測定

廃油対策

機構では、低質燃料による機関トラブル防止、保守整備作業の低減、スラッジ処理作業の低減を目的として、燃料油の性状に応じた加熱方法、清浄装置の選定等についての調査研究を実施し、その成果を技術支援に活用しています。

きめ細かい建造管理

船舶は、船体、機関、航海・荷役機器等数十万点に及ぶ部品・機器から構成される複雑な巨大構造物であり、多種多様な貨物を様々な航路で輸送するなど、その運航状況も多岐にわたります。
このため、船舶の建造に際しては、図面審査や工作精度の確認、品質の維持、工程管理などについて、第三者の監督が重要となります。機構では、共有船の建造にあたって、これら図面審査、建造監督等を実施しています。

図面審査と協議

基本計画に基づいて、造船所等で建造用の図面が作成されます。船の形状や構造、推進性能、機関の特性、船内の配置などが具体的に図面に書き表されます。機構では、基本計画での要求事項が確実に反映されているかどうかの図面審査を実施しています。

図面の協議
図面の協議

建造中の工事監督

設計が終了すると、造船所での建造工事が開始されます。船舶は、主機関の陸上試運転、船殻工事、進水、ぎ装工事、海上試運転といった工程を経て建造されます。機構では、これら主要な建造工程ごとに、工事監督を実施し、建造仕様書及び図面との照合、施工方法、工作精度の適否、諸性能の確認を行います。

船殻段階の工事監督
船殻段階の工事監督
主機関の工事監督
主機関の工事監督

船底塗料の選定と施工管理
船底塗料の選定と施工管理
海上試運転での諸性能確認
海上試運転での諸性能確認

就航後も安心のアフターケア

就航後も共有期間中は、機構の技術者が保守整備の指導とともに保証ドック、トラブル対策などを支援します。

保証ドック

就航後1年目の保証ドックは、建造時には予測できなかった不具合を修繕、補修し、再発防止を図るために重要なものです。
機関、荷役機械等の初期故障、実運航で発生してくる振動、部材の割れ、錆び、結露などの対策工事を確実に行う必要があります。このためには、豊富な経験と工学知識を駆使して、造船所やメーカーと交渉する必要があります、機構がこれを支援し、万全の保証ドックが可能となります。

上架直後のプロペラ
上架直後のプロペラ

トラブル対策

船体、機関のトラブルは、運航に重大な支障を来たすため、ひとたびトラブルが発生した場合には、万全の体制で、迅速かつ的確にトラブルの解決と再発防止を図ることが重要です。機構は、豊富な経験と工学知識を駆使し、造船所及びメーカーに対し指示を出すとともに機構の技術者を派遣し、対応させることとしております。

クランクケースの破損
クランクケースの破損

最近共有建造した内航船舶

セメント運搬船(14,902GT)

セメント運搬船(14,902GT)

一般貨物船(499G/T)

一般貨物船(499G/T)

両頭旅客船(1,330GT)

両頭旅客船(1,330GT)

石炭灰専用船(748GT)

石炭灰専用船(748GT)

鋼材運搬船(499GT)

鋼材運搬船(499GT)

LPG船(749GT)

LPG船(749GT)

旅客フェリー(9730G/T)

旅客フェリー(9730G/T)

RO/RO船(11,514GT)

RO/RO船(11,514GT)

技術支援に関するお問合せ

共有船舶建造にあたっての技術支援に関するご相談に応じております。
以下の連絡先までお問合せ下さい。

連絡先

共有船舶建造支援部 技術支援課
TEL 045-222-9123
FAX 045-222-9150

なお、船舶建造公示請負契約をする場合の、技術支援関係手続きについては、次をご参照下さい。

共有船舶の建造のための技術支援関係手続き(PDF:726KB)