平成19年度 第2回 議事要旨

開催年月日 平成19年12月3日(月) 10:00〜12:20
開催場所 鉄道・運輸機構 理事会議室(22階)
出席者
  • 〔委員〕
  • 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学商学学術院 教授)
  • 委員  青木 真美(同志社大学商学部 教授)
  • 委員  岩倉 成志(芝浦工業大学工学部 教授)
  • 委員  淺井 万富(九段監査法人 代表社員)
  • 〔機構〕
  • 石川 裕己(理事長代理)、水野 喜一朗(理事)、中桐 宏樹(鉄道助成部長)、
  • 岡崎 好孝(同部次長)、菅沼 史典(同部次長)、横田 孝洋(特定財源管理課長)、
  • 桐生 周二(助成第一課長)、跡辺 政美(助成第二課長) ほか

配布資料

平成19年度 第2回 委員会資料

概要

委員会の運営に関する事項

本委員会の運営に関する事項(資料2)について事務局から説明し、審議の上、了承された。

鉄道助成業務の実施手続きに関する事項

実施手続きに関する事項(資料3)について事務局から説明し、審議の上、了承された。

鉄道助成業務の実施状況に関する事項

平成19年度上期の鉄道助成業務の実施状況(資料4(1))について事務局から説明し、引き続き、3件の抽出案件(資料4(2))について、選定理由を浅井委員から報告後、審査結果について事務局から説明し、審議の上、了承された。

主な質疑

(委員)
博多南駅は九州新幹線の延伸に伴いどのような扱いになるのか。
(機構)
博多と博多南駅間の輸送の廃止は考えていないと聞いている。
(委員)
資料4(2)?の11ページ目中、補助対象事業費に対する補助金額の割合が説明にあった10分の2になっていないのはなぜか。
(機構)
旅客線化事業の場合は,補助対象事業費から補助対象経費を算出する際に,三セクの出資金にかかる補正係数0.8のほか制度設計上一律の低減率を乗じることとされているため,補助対象事業費に対する補助金の割合は10分の2を下回ることとなる。
(委員)
幹線鉄道等活性化補助事業費は,山形新幹線のような明らかな幹線と考えられるものだけでなく,事業者等自らが必ずしも「幹線鉄道」と認識していないような路線も補助対象となりうることなど,事業者等にとって少しわかりにくい名称となっているのではないか。対象が幅広い事業制度だから,今後さらにホームページで実績を公表するなど,十分この補助制度が周知される必要があるのではないか。
(機構)
基本的に旧国鉄の本線系など幹線鉄道が対象となっているが,名称の「等」で読む部分が後から加えられてきた経緯もあり,少しわかりにくくなっている傾向はある。これまでも助成ガイドブックを事業者等に配布するなどの周知は行ってきているが,今後,他の補助事業制度もふくめ,周知の内容や方法を検討する。
(委員)
大阪外環状鉄道では,用地取得等で時間を要したため事業実施計画の遅れが生じたとのことだが,計画の修正や再審査はどのようなタイミングと手続きでなされるのか。
(機構)
基本的に事業免許の取得後に工事施行認可の手続きを経ることとなっており,この施行認可の際にそうした計画の審査が本省においてなされるものである。大阪外環状鉄道の場合,計画の事業効果の面等での検討がなされた結果,区間を区切って第一期分の施行認可がなされたものである。機構で行う審査とは,工事施行認可後の単年度ごとの予算に対する工事の実施内容に関するものである。
(委員)
九州新幹線の建設では,北陸新幹線など他の路線建設での技術革新の成果も最大限取り入れて進めていることと思うが,それはどのような方法によるのか。
(機構)
担当する各新幹線建設局がコスト縮減や工期短縮の手法などの知見を取り入れて工事計画を立案し,それらのとりまとめと統括を本社で行っている。本社での集約の過程で新しい技術や設計・積算方法の統一,情報共有が本社と各建設局相互でなされているものと考えられる。
(委員)
大阪外環状鉄道では,今回の旅客線化事業により既存のJR貨物の運行に支障は無いのか。都市交通の中では旅客だけでなく物流も重要であるにもかかわらず,とかく軽視されがちであることが研究者の間で最近よく話題になるのでお尋ねした。
(機構)
基本的にはJR貨物とJR西日本との協議によると思われるが,JR貨物が現在行っている一日5往復のコンテナを中心とした輸送は維持されると聞いている。

議題2、3、4、5についての審議は終了し、各委員が了承

その他鉄道助成業務の実施に関し必要な事項

資料5(1)効果的な補助金審査業務手法等についてを説明し,ご意見を賜った。

主な質疑

(委員)
この議題提出の趣旨としては,独立行政法人の業務効率性について厳しい目が向けられているという現状と,この第三者委員会が業務運営にどのような役割を果たしているのか,委員会が本当に機能しているのかどうかがあらためて問われているといった背景があるのではないかと思料する。この委員会では,これまでのところ,機構から毎回定例的に提出された個別案件に関する審査資料が適切であるかどうかの審議に多くの時間を割いてきているが,そうした基本的な審議に加えて,機構がどうすればより効率的に補助金の審査にあたれるのか,また,第三者委員会はそのためにどのように対応すればよいのかの検討がこれまで以上に求められているものと思料する。そうした意味でこうした議題についてご議論いただくことが有意義と考える。もちろん充分な議論が必要なテーマであるから,本日の限られた時間で何らかの結論をということではなかろうが,資料について質疑やご意見を賜れば結構かと思う。
(委員)
二つに区分する考え方,中小鉄道事業者とそれ以外に区分するのはひとつの考え方として結構かと思う。もちろん審査の効率化は必要であるが,まずは実質的にしっかりした審査を実施することはいうまでもない。比較的事業執行能力の高い事業者に対しては,事業者自らが定めたマニュアルの整備状況を把握し,その運用実態についても内部チェックの結果報告を求めてはいかがか。機構の審査としては,会計士の監査の方法にも通じるものがあるが,個別の審査案件の中からサンプル的なチェックや重点項目について審査するなどの方法を採用することにより,補助金の申請者側の自主的なチェックの仕組みや運用が適正であることを確認することによって全体の適正さを判断していくなどの手法の導入が考えられる。重点項目などを申請者にあらかじめしっかり念押ししておくなどの対応も考えられる。他方,中小事業者に関してはどうしても指導的な対応が必要と思われる。聞き取りをしながら,事例集などを配布するなど,そうした事業者は採算が上がらないのが普通だからコスト縮減が適正に行われた施工事例などを情報提供することなどが有効であると思う。
(委員)
現地審査のチェックリストについても重点項目を定めるなど効率化の余地があろう。
(機構)
今回の提案は,これまで以上に事業者の事業執行等にかかる情報収集の強化も必要ということであり,審査の更なる効率化の取り組みの端緒としたい。新幹線整備事業などでこれまでにも一部では重点化や効率化は実施してきているが,それらの審査内容等も検証しつつ,交付決定から補助金額確定までの審査全般にわたり更なる改善の取り組みを進めていきたい。なお,こうした継続的な業務改善は,鉄道助成部の業務体制確保の観点から,職員の審査スキルを継承,向上していく意味も大きいと考えている。
(委員)
鉄道事業者にしても,貴重な補助金をもらうわけだから,その社会的な効果なりサービス改善効果なりについてしっかりした認識を持つべきで,中小事業者においてもそうした意識の醸成を徹底すべきだと思う。
(委員)
今回の取り組みのポイントは,現地審査を通じた事業者等との情報交換の場がシステム化されるというか,制度化に近い形になっていくこととして意義が大きいと思う。一義的に補助金の適正な執行ということもあるが,現在の補助制度に対して事業者等にもいろいろ意見や要望があり,それらをしっかりヒアリングする機会としても重要である。都市鉄道利便増進事業ではなぜ複々線化が出来ないのかとか,近代化補助では,例えば電路の支柱が鉄柱から鉄柱への交換だとどうして補助対象にならない場合があるのかとか,地方との協調補助がなぜ絶対条件なのか,など疑問や要望としていろいろあるのは確か。こうした事業者等の声をもとに制度改良等にもつながるように,国土交通省に対して機構からいろいろ情報をフィードバックすることが求められるのではないか。
(委員)
前回の委員会でも出たが,踏切の改良による事故率とか死傷率がどれくらい低減したかとか,短絡線による運賃の低減効果とか,いろいろな視点を持つことによって,長期的な補助システム全体の構築改善や充実につながると思う。
(機構)
今回提示した視点は,機構が一義的に担う審査の効率化等の業務改善の視点が中心であるが,ご指摘のとおり,機構の審査を通じた事業者との接点は,補助金事業の効果や補助制度への意見などについて情報収集や情報提供の機会として有効に活用されるべきものであると認識している。今後とも,中小をはじめとした中長期的な事業者等の補助事業の執行体制の支援等も含め,事業者の幅広い支援につながる可能な限りの対応を,国土交通省とも連携して考えていきたい。

資料5(2)その他について、平成19年度の海外調査については、ホームページ等による海外鉄道維持管理技術の文献収集調査を中心とする旨報告し、確認された。

その他

次回委員会の鉄道助成業務の実施状況に関する案件抽出委員に杉山委員長が選出された。