平成20年度 第1回 議事要旨

開催年月日 平成20年7月31日(木) 16:30〜19:00
開催場所 鉄道・運輸機構 理事会議室(22階)
出席者
  • 〔委員〕
  • 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学商学学術院 教授)
  • 委員  岩倉 成志(芝浦工業大学工学部 教授)
  • 委員  淺井 万富(九段監査法人 代表社員)
  • 〔機構〕
  • 谷口 克己(理事長代理)、水野 喜一朗(理事)、
  • 北河 渉(鉄道助成部長)、桑原 幹幸(同部担当部長)、菅沼 史典(同部担当部長)、
  • 豊田 伸二(特定財源管理課長)、桐生 周二(助成第一課長)、
  • 跡辺 政美(助成第二課長)、菅原 仁(担当課長)

配布資料

平成20年度 第1回 委員会資料

概要

委員会の運営について

事務局から、【資料1】により平成19年度第2回委員会の議事要旨について報告。

鉄道助成業務の実施手続きに関する事項

事務局から、【資料3】により平成19年度下期における鉄道助成業務の実施状況について説明。
続いて、個別案件3件の抽出理由を杉山委員長から説明の後、事務局から当該3件(京急蒲田駅、高松琴平電鉄、阪神西九条駅)について説明。

その他鉄道助成業務の実施に関し必要な事項

事務局から、【資料4】により第2期中期目標、第2期中期計画、平成20年度計画について説明。

鉄道助成業務に関する動き

事務局から、【資料5】により平成20年度鉄道助成業務関係予算等について説明。

主な質疑

(委員)
【資料3】P7で、不用額は事業費の節減の結果であるという説明があったが、H18・H19年度と2年続けて不用額が発生しているのはどういうことか。また、その不用額はどういう扱いになるのか。
(機構)
一つの補助金について複数の対象事業者があり、当該年度で事業が完了した事業者、翌年度に繰越して事業が完了した事業者、それぞれ額の確定の際に不用額が発生するということである。なお、不用額は使われない補助金であり、その分は国庫からいただかない。
(委員)
【資料3】P16、琴電の補助実績のところで、同じ車両更新であるのに、H16年度では補助率が1/5、H17年度以降は1/3となっているがその違いは何か。
(機構)
H17年度以降、地域の関係者で策定した再生計画に基づく整備については、補助率が1/3となっているが、それ以前の整備に対する補助率は通常の1/5である。なお、新たにH20年度以降は、法律によって地域の意欲的な取り組みとして再構築事業が位置づけられ、これに基づく認定を受けた計画に対しての事業も1/3となる。
(委員)
【資料3】P19、耐震補強については、基本的には第三セクターを受け皿とする補助制度のようだが、JR(北海道、四国、九州)と東京メトロには直接補助しているのはなぜか。
(機構)
JR三島会社と東京メトロは、国や東京都といった公的主体が出資している特殊会社であることから、補助対象事業者として認められている。
(委員)
西九条駅については、大阪府が出資する会社が受け皿であるが、施設の権利関係はどうなっているのか。将来、鉄道会社に譲渡することはないのか。
(機構)
基本的に、整備した施設の耐用年数の期間は所有することになる。
(委員)
琴電のパークアンドライドは、有料なのかそれとも割引されているのか。
(機構)
琴電全線では5駅あるが、パークアンドライド専用の料金を設定しており、月極の駐車よりも1,000円割安となっている。
(委員)
【資料3】P11とP16を比べてみると、京急蒲田駅の交付決定は、年度当初の早い時期に行われているが、琴電では交付申請から決定までに時間がかかっている。これらの事業は単年度で終わるものではないので、事業全体としての承認のような流れはあるのか。
(機構)
京急蒲田駅の駅総合事業は、公共事業関係費であり、国において事業計画の承認手続きがあり、その後、交付決定を行うことになる。一方、琴電の近代化補助は、事業者数が多く、事業内容も多様で、予算の調整に時間がかかるため交付決定が遅れる現状がある。ただ、制度上は交付決定前に事業の実施は可能となっている。
(委員)
事業全体として、予算化される時点で承認されているので、単年度の交付決定の時期は問題ないということでよいか。
(機構)
そうです。

委員会からの改善意見について

主な質疑

(委員)
今般、第2期中期計画及び平成20年度計画において「第三者委員会からの改善意見は1年以内に業務運営に反映させる」との記述が盛り込まれたことから、この機会に委員会として意見の出し方について議論したいと思うが、もし、事務局に何か用意があれば説明してもらいたい。

事務局から以下のとおり説明。

  1. これまでも、委員会においては各委員から自由なご意見をいただいてきたが、1)改善意見は1年以内に実現、2)ご意見をいただきやすいよう業務運営上の具体的な取り組みの説明が必要、等の観点から、本日は、事務局(案)「鉄道助成部として取り組む事項(案)」をご説明した上で、自由なご意見をいただくという方法を提案したい。
  2. なお、いろいろと幅広いご意見があり得ると思われるので、委員会のご了承が得られれば、本日の委員会終了後、持ち回り等の方法により、委員のご確認・ご了承を経て、改善意見として確定・公表し、次回の委員会でその実施状況についてご報告したい。
  3. また、いただいたご意見は、1年以内にすべてを実施できるものばかりとは限らないので、それらについては、次回の委員会までに、事務局で1年以内にどこまでできるのかを検討し、その結果をご報告したい。
(委員)
事務局の説明どおり、1年以内に取り組める事務局(案)を出してもらい、それをたたき台に議論するという点についてはどうか。
(委員)
機構が自らの業務について、自己点検し、改善案を出すということか。
(委員)
これはひとつの方法で、新たな意見も含めてである。本来は、委員会として白紙で議論するべきかもしれないが、それでは具体性に欠けるので、議論のたたき台として提案してもらった。委員の方々の意見をこれに束縛するものではない。
(委員)
そもそも、この委員会では具体的な改善提案をするべきなのか。
(委員)
もともと、鉄道助成業務をしっかり行っているかということを審議するのが役割であるが、委員会の存在意義という観点からも、もう少し広い視点で(機構の業務に踏み込んで)議論していくことも必要だと考える。
(機構)
委員会は「理事長に対して意見を述べる」という規程があり、今後の改善意見についても、これに沿った形でいただくことで問題ないと考える。
(委員)
わずか年2回の委員会だけで、具体的な改善提案をするのはかなりの無理がある。これまでの委員会で述べたように、審査マニュアルの整備や大手と中小の審査方法のあり方といった一般的な提案はできるが、さらに突っ込んで業務の運用、専門的・技術的な内容について調査することはできるのか。委員会にどこまでを期待しているのかよくわからない。
(機構)
事務局(案)はあるが、いただくご意見のレベルも含めてある意味白紙であり、今までと同様に幅広い観点から議論をお願いしたい。
(委員)
昨今、独法に対する国や委員会の対応はますます厳しくなっており、例えば、評価委員会においても、従来にも増して評価にあたっての責務は重くなっている。本委員会においても、限られた時間の中で、何らかの提案をしていかざるを得ないものと考えるため、まずは機構で用意した事務局(案)を説明してもらいたい。

事務局から、【資料6】により委員会からの改善意見について「鉄道助成部として取り組む事項(案)」を説明。

(委員)
国が定める中期目標の中にも、第三者委員会を助成業務の効率化のために活用するように位置づけられており、これに絡む改善意見を出す、ということが委員会の役割であると思うがどうか。
(委員)
もちろん、一般的には望ましいと思う。ただ、実際に問題点を指摘するには、ある程度(機構の内部に)深く入って議論しなければならない。例えば、審査の品質管理について述べると、要員や組織の充実がより必要となり、決して効率的とはならない側面もある。事務局(案)は機構自身の重点課題であり、委員会としては、これをきちんとやっているかというのを見ることはできると思う。例えば、自治体に対する包括外部監査では、1年に1項目のテーマを設けて年間80〜100日もかけて行っている。個々の項目を深く掘り下げて議論していくのは大変である。それこそ鉄道助成業務に係る事務手続にとどまらず、鉄道の運行や建設工事のあり方につき研修でも受けて知識を得ないとなかなか対応できない。特定の項目を絞って、それに沿った機構の対応を見るというのが現実的かと思う。
(機構)
どのような改善意見をいただいても、委員会としての意見が出されたら機構として対応しなければならないのであって、義務は我々の方にある。事務局(案)を用意したのは、議論がしやすくなるよう、これをもとに委員会として検討していただきたいという趣旨にすぎず、もちろん全く違う観点からのご意見であっても、対応していきたいと考えている。
(委員)
逆に、漠然とした一般的なことを何でもかんでも言うのは簡単だが、そういった話しを1年以内に対応するとなると機構としても対応が難しいのではないか。
(機構)
これまでどおり、幅広いご意見をいただきながら、1年以内に我々がどこまで取り組めるのかを整理し、再度、委員会で議論していただく、という形で進めていければと考えている。
(委員)
委員会から意見を出すとなると、機構としては緊張感があるだろうが、実行可能か否かというのは機構レベルの問題であろう。委員会としては、助成業務に関する効率性をいかに追求するか、ということに限られると思う。時間制約の中ではあるが、委員会として、改善意見について検討するということについてはどうか。
(委員)
これまで、個人的には政策的な部分とか一国民としての観点で発言しており、必ずしも機構に求められる役割に沿っているとは限らないので、その中から、機構としてやれるもの、検討するもの等を整理していただいて、透明性をもってその改善を検討していることを伝えていくことが大事である。例えば、京急蒲田駅の直上高架方式について説明があったが、工事費の節約、工期の短縮、他の駅への展開など、もっと社会効果的な観点も含めて、透明性をもって補助金を効率的に活用していることを国民に訴えるということが必要だと感じている。
(機構)
特定の項目に関する具体的なご意見というのも一つの方法ではあるが、今のように非常に一般的な観点からご意見をいただくこともあり得るかと思う。それを、我々の取り組みに具体的にどう反映させるかというと、例えば広報に関して、いまお話しのあった社会効果、事業効果といった内容を付け加えて改善していく、こういうイメージでやっていくことは可能かと思う。
(委員)
本日は、委員会の根本に関わる議論をいただいた。本来は、時間もメンバーも充実した形で検討していくのが正論ではあるが、独法に対して透明かつ客観的に議論する立場から、限られた時間の中で、助成業務をいかに効率化していくかという観点から改善意見を述べる、ということについてはよろしいか。

各委員了承

(委員)
本日は、委員会の根本に関わる議論となり、事務局(案)について十分な時間がとれなかった。再度、事務局から各委員に対して持ち回りにより説明に伺ってもらい、ご意見をいただいた後、委員会としての改善意見をまとめることとしたい。
(機構)
後日、事務局から改めて個別に各委員にご説明に伺いたい。

その他

次回の委員会で審議を行う鉄道助成業務の実施状況に関する個別案件の抽出は、岩倉委員が行うこととなった。

委員会終了後の状況

事務局から、各委員に対して持ち回りにより説明に伺ったところ、改善意見については、委員会で委員長や事務局が説明をした方法でとりまとめることで改めて了解を得た。また、事務局(案)を実施していくことについてはご了承いただき、委員会としても、これに沿った形で改善意見を述べることとなった。

各委員からの意見は以下のとおり。

(委員)
助成業務は機構の重要な業務であり、これが適正に行われるのを厳正にチェックするのが本委員会の任務であると考える。そのためには機構の果たすべき役割を助成業務だけに注目するのではなく、全般にわたって見渡し、大所から改善すべきところがあれば意見を出すべきであると考える。ただし、当該意見は1年以内にできることと、検討を要するものとを峻別すべきである。
また、鉄道サービスの本質を国民に一層理解していただき、助成の意義に納得を得られるように、わかりやすい広報活動を行うことが、上記の意見の前提であると考える。
(委員)
補助金等の交付にあたっては、透明性の確保が最も重要である。例えば、研修に関しても、職員が助成対象事業者など外部機関の研修に参加して知識を習得することは有意義であるが、助成する側と受ける側の関係から誤解を招かれることのないように、注意したほうがいい。
また、各補助金等の名称からは、その対象となる事業がわかりにくいものがあるため、ホームページ等の更新の際には記載方法について配慮してもらいたい。特に、地方自治体の関係者が助成制度の内容が理解しやすいように配慮してもらいたい。
(委員)
地方鉄道に関しては、昨今、原油が高騰している情勢もありそのあり方が見直されるべきではないか。そのためにも、事業者の経営改善に資する情報提供が望ましいと思う。具体的には、地域活性化を含めた再生の成功事例や不成功事例を蓄積し、それらを他の地方鉄道や地方公共団体へ提供していくことが機構の役割としても重要ではないか。
ホームページについては、鉄道会社への助成項目を最初に開いた時にメリハリのない文字の多いページにつながって読者は興味を失う。一般の人が見ることも想定してアニメ等を取り入れ簡潔に全体が把握できるようなページを通して、各助成項目に入っていくようにしたら良いのではないか。

上記意見及び事務局(案)を委員長が集約した結果、「鉄道助成業務に関する改善意見」(平成20年9月1日)としてとりまとめられた。

なお、「地方鉄道再生のための成功事例等の蓄積と情報提供」についての意見は、事務局で1年以内に実施する項目をとりまとめ、次回委員会に報告することとなった。