平成21年度 第2回 議事要旨

開催年月日 平成21年12月2日(水) 15:00〜17:30
開催場所 鉄道・運輸機構 理事会議室(22階)
出席者
  • 〔委員〕
  • 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学商学学術院 教授)
  • 委員  岩倉 成志(芝浦工業大学工学部 教授)
  • 委員  二村 真理子(東京女子大学現代教養学部 准教授)
  • 委員  加藤 達也(あらた監査法人 代表社員)
  • 〔機構〕
  • 岩崎 貞二(理事長代理)、松岡 和夫(理事)、保坂 春彦(鉄道助成統括役)、
  • 北河 渉(鉄道助成部長)、横田 孝洋(同部担当部長)、池田 清(同部担当部長)、
  • 桐生 周二(助成第一課長)、吉田 一彦(助成第二課長)、岡部 聡(担当課長)

配布資料

平成21年度 第2回 委員会資料

概要

委員会の運営について

事務局から、【資料1】により平成21年度第1回委員会の議事要旨、改善意見について報告。

鉄道助成業務の実施手続きに関する事項

事務局から、【資料2】により平成21年度上期の補助金交付要綱の改正等について説明。

鉄道助成業務の実施状況に関する事項

事務局から、【資料3】により平成21年度計画及び改善意見に対する実施状況等について説明。

議題1〜3に係る質疑

(委員)
【資料3】で40億の執行がまだと伺ったが、新聞では整備新幹線の建設費の増額理由を新潟県がきちんと理解できていなかったと聞いているが、建設費の増加とか、補助金がまだ執行できないとか、そのような観点から補助金交付の適正な執行業務に対して問題、課題があれば教えて頂きたい。
(機構)
まず事実としては未交付額40億円のうち30億円は北陸新幹線の新潟県部分で、10億円部分は、地域鉄道関連の事業などである。整備新幹線の新潟県部分については、本省も含めて新潟県と基本的には調整を行っているときいている。機構としてはその結果を踏まえながら交付作業を行っていく予定である。新潟県からの建設費の増加部分について情報提供が不十分であると言った意見要望に対しても、当機構の鉄道建設本部ではこれまで20回以上にわたって新潟県に情報提供しており、その中で建設費の増額理由についても誠意を持って説明しているところである。しかしながら、なかなか理解が得られない状況となっており、このような中では交付決定は難しいと思っているところである。
(委員)
交付上の適正な執行という点からは色々苦労されているのは理解しているが、例えば標準処理期間の受入から交付まで7業務日以内とか、その種の話の中で補助金交付業務が適正にできないような事態が発生するとか言うことは考えておかなければならないのではないか。
(機構)
環境が整わない中で建設本部が申請を上げてくることはないので、少なくとも補助金交付上の問題はないと考えている。しかしながら、この30億円が今のところ執行の目処が立っていないということが整備新幹線に関する大きな課題と認識している。
(委員)
もし年度内に話し合いが決着しなかった場合、それは次年度に繰り越すことが可能なのか、それとも没収と言うようなこともあるのか。
(機構)
制度的には1年間であれば繰り越しは可能だが、30億円の取り扱いは不明である。
(委員)
【資料2】の関連で、「新線調査費等補助金交付要綱・取扱要領」の改正内容については独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に関わる会計処理が国税の指摘で変わったためそれに伴い機構の補助金の規定が変わったと理解している。前段の国税の指摘を受けた会計処理の変更、費用計上から一部前払い金計上と言うことは理解できるが、これを受けて費用に計上されていない前払い金に計上された部分も補助金の対象としたという変更と考えるが、具体的に規定をどのように変えたのか説明頂きたい。
(機構)
従来、補助対象年度に支払われた費用を全て支払管理委託費としていたが、工事が完了したものは支払管理委託費に、完了していないものは前払い金として経理処理するよう指摘を受けたものである。本事業は従来から前年度の支払額を補助対象としており、別冊に示すとおり、経理処理の変更に併せ要綱の表現を修正したものであり、補助範囲を変更するものではない。
(委員)
損益対照表上の費用ベースではなくて、支払ベースの金額を補助の対象とするということか。
(機構)
この数字は、必ずしも物流が増加するということではなく、(貨物会社が)1日あたりの列車本数と積載率等により、輸送能力の増強分を算出したものである。
(委員)
現状の貨物の量の一部が(鉄道に)シフトするということか。
(機構)
そのとおり。
(委員)
【資料3】7ページの補助金審査計画のうち重点審査項目について抽出で審査をしていきたいという方針があったが、抽出する場合の抽出基準を何か具体的に定めているのか、それとも審査される方の裁量に任せているのか、という点について伺いたい。
(機構)
基本的にはそれぞれの担当グループの裁量に任せているが、抽出に当っては、例えば工事費、用地費、機械・設備費など、事業内容が網羅できるよう抽出しようと考えている。
(委員)
このようなサンプリングによりテストを行う場合、一定の抽出基準がないと、実施する人により、詳細にサンプリングを抽出しチェックする人もいれば、そうでない人もいるはずである。ある程度の方針を抽出基準として設けた方が客観性を確保することができ良いのではないかと考えるがいかがか。
(機構)
補助担当者連絡会での議論では、抽出に際しては、網羅的に最低でも20件程度は抽出するということで合意している状況である。
(委員)
例えば、会計監査の場合、全体の金額の中で何割をカバーして抽出するとか、○○円以上の項目を抽出するなどの方針があってそれに基づいてテストを実施している。このようなことも参考にして抽出基準の策定を行って頂ければよろしいかと考えている。 別件の提案だが、HP(ホームページ)の関係の改善に関して記載されているが、HPというものはウェブサイトの一番最初のページのみを言い、全体はWEB(ウェブ)サイトと言うと聞いている。【資料3】の内容からすると、言い回しとしてはHPよりWEBサイトが適切なのではないかと思っている。その点を調べて頂き、今後の呼び名については、検討頂ければと考えている。
(委員)
後者については調べて頂き、前者については、網羅的に抽出されていると言うことは理解できるが、透明性を保つという点からすれば基準があった方がより公平と思う。是非今後の課題として受け止めて頂きたい。
日本高速道路保有・債務返済機構に関するご質問と関連するが大鳴門は将来的にどうするのかという点について伺いたい。明石海峡大橋は鉄道との併用橋ではない筈だが、大鳴門橋だけでの鉄道としての活用策はどうなっているのか。
(機構)
明石海峡大橋は高速道路専用であり鉄道との併用橋ではない。整備新幹線の基本路線に四国新幹線があり、大阪方面から淡路島を経由して四国というルートが考えられていたが、将来的にどうなるかについては現在定かではない。
(委員)
可能性として活用することはゼロではないということか。
(機構)
鉄道を走らせることはできるので、将来、新幹線を通すのか或いは在来線を通すのかといった話は出てくるのではないかと思うが、具体的な話は承知していない。
(委員)
明石側は鉄道施設がないと言うことだが、いざ作るとなるとそれは追加という形でできるものなのか、あるいは橋の掛け替えが必要となるのか。初めから作ったところとそうではないところがあると、整合性がとれていないのではないか。
(機構)
先ほど話ししたとおり基本路線は神戸の方からではなく、大阪の南の方からというようなルートであり、それで淡路島側から四国に渡る横断鉄橋については鉄道に配慮したが明石海峡については、特に配慮していない。
(機構)
当時紀淡海峡トンネル構想というものがあり、和歌山の方から淡路島にトンネルで渡してそれで大鳴門橋に行って四国を横断して九州に行くという構想があった。それで理屈としては明石海峡には鉄道はいらないこととなった。
調査等を40年代後半からやっていたが、今はそう言う時代ではないので、調査自体も打ち切りになった。当時は列島改造の頃と記憶している。
(委員)
HPに鉄道助成ガイドブックを「お入り用な方がいれば」と掲載したと言うことだがどのくらい引きがあったのか伺いたい。
(機構)
HPによる効果かどうかは不明だが、例年よりも外部からの要望は多いと感じており機構から配布した数に加えて、30部程度の要望を別途受けて配布しており、残りも少なくなっている。
(委員)
来年作成する冊数に反映するのか。
(機構)
今年度は1,000部印刷した。予算の状況にもよるが、最終的な今年度の実績を踏まえて、作成部数を増やす方向で対応したいと考えている。
(委員)
アクセスはどのくらい増えたのか。
(機構)
把握していない。
(委員)
【資料3】5ページで地下鉄補助、空港アクセスの繰り越しが結構多いと思うが、例年どおりのレベルなのか。
(機構)
当初予算が1,776億円に対して補正が付いて2,030億円となった。補正の成立時期との兼ね合いからある程度繰り越しが多くなった。地下鉄についても空港アクセスについても、新幹線についても補正予算の関係で、繰越が増えた。
(委員)
平成20年度は大型補正だった。その影響が出ているのではないか。
(機構)
そのとおり。
(委員)
不要額が多いという指摘はないか。
(機構)
全体が約2,000億円に対する2億円であることから特に批判を受けると数字ではないと思っている。

続いて、個別案件の抽出理由について加藤委員から以下のとおり説明があり、事務局から資料に基づき以下の3件を説明。

個別案件 抽出理由
(1) 整備新幹線整備事業費補助・事業資金
  ((独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
幹線交通の根幹をなし、国土の均衡ある発展に寄与する整備新幹線の中から、平成27年度末完成を目途に整備が進められ、ある程度の進捗率で工事が進んでいる【北海道新幹線】を抽出。
(2) 地下高速鉄道整備事業費補助
  (仙台市東西線)
都市鉄道のうち、重要な交通手段のひとつである地下鉄の中から、事業規模が大きく複数の路線や駅で、バリアフリー化など利用者の利便性向上のために大規模改良が進められている【東京メトロ】を抽出。
(3) 鉄道軌道輸送高度化事業費補助金
  (えちぜん鉄道)
地域住民の交通の確保のため重要な役割をもっている鉄道の中から、平成20年度からの新制度である「鉄道事業再構築事業」を活用し、上下分離方式(鉄道施設を地元自治体が所有し、運行を鉄道事業者が行う方式)の第一号である【八頭町:若狭鉄道】を抽出。

抽出案件に対する質疑

(委員)
3つ目の若桜鉄道は上下分離という話があったが、下部組織を公的に所有するという意味合いというのは、公的に補助を入れるという意味になるのか、それとも今までに若桜鉄道が62年度から営業をしている訳なので、いわゆる土地などは若桜鉄道が持っていたはずなので、この場合元々持っていた部分はどうなっていくのか。
(機構)
若桜鉄道株式会社の土地等は無償で若桜町・八頭町に譲渡した上で、若桜鉄道株式会社が無償で貸してもらうという形になる。
(委員)
そうするとインフラ部分を若桜町・八頭町に無償で譲渡し、それを無償で貸し出すとなると実体上あまり変わらないと思うが、それで今までの損益状況というものが、先ほどの財政状況の中でこれだけの損が出ている会社でそのうち設備を持つことによる維持補修等はこの会社から切り離して、そこに補助金を入れて若桜町・八頭町で保有することによりその負担を軽減するということだと思うが、実際に分離した後のこの会社の今後の利益計画がどのようになっているのか。
(機構)
今後10年間は収支の均衡を図ることが大きな目標となっている。
(委員)
目標と実態とは違うと考えるが、実際の着地見込みとして、ないし計画としてはそれでも収益とんとんでいけるという状況か。
(機構)
そう言った計画が出されている。
(委員)
今の関連で、鉄道事業再構築事業の具体的な結果を見ていると、滑り止めの砂を売るなど、このようなものも含めた上での収支均衡をとるということか。
(機構)
微々たるものかもしれないが、こういったものも含めている。
(委員)
北海道新幹線に関して、青函トンネルは鉄道・運輸機構の資産となっているのか。
(機構)
なっている。
(委員)
地下鉄に関する疑問だが、エスカレーターが繋がってなくて、エスカレーター・階段・エスカレーターという駅をよく見かけるが、効果の発現という意味で著しくロスしていると思う。補助金の適正な執行という観点で、このような問題をどのように考えていくのか。改善できない理由は地下鉄のキャパシティの問題と思うが、特に資料では、補助対象施設がエスカレーター、エレベーター及び昇降機となっているが、地下鉄補助なのでもう少し幅広に補助できるのではないか。
(機構)
資料では、エスカレーター、エレベーターなどの設備を例示しているが、地下鉄補助では、用地取得費、工事費、当然装置を買う経費も補助対象としている。東京メトロでは、特に都心部分の出入口の地上部分はなかなか用地が確保できないという特殊事情があり、なかなか解決できない状況にある。
(委員)
エスカレーター、エレベーター等のバリアフリー施設に関しては事前評価とか事後評価とかいわゆるB/Cの算出はしているのか。
(機構)
新線建設などの大規模なものは算出しているが、バリアフリー施設のみに関しては、算出していない。設置基準に基づき設置している。
(委員)
バリアフリー法では、電光式旅客案内表示装置が必要なのか。
(機構)
目は悪くないが、耳の不自由な方には特に有効な装置と考えている。
(委員)
なるほど。もう1点。東京地下鉄の場合基準適合駅の鑑定結果が低くなっているが、今まで窓が付いていないエレベーターを持っているなかで、今後基準に適合するようなものを作り続けていくのか。
(機構)
そのとおり。まさに新しいものは基準に適合したものを作り続けていく。東京地下鉄の方から聞いた話によると、基準適合駅は24%から来年には70%ぐらいの数字になると聞いている。今年度と来年度に今までエレベーター箱に窓がないものが、改善していくと聞いている。
(委員)
窓が付いていることでバリアフリーにどのような影響があるのか。
(機構)
身障者の方がEVの中で具合が悪くなった場合など、緊急時に外から見えるような構造として、駅係員や他の乗客などがすぐに対応できるようにするためである。
(委員)
北海道新幹線については、新幹線を通すことによって在来線の旅客或いは貨物に対しては全く影響がないと言うように理解してよいかというのが1点。
若桜鉄道については、10年間は収支均衡を図るという計画を伺ったがこれも機構の補助をするに当たっての審査対象か。
もう一つ、大規模なものと比較的小規模なもので、審査員は大規模案件に多く貼り付けて、そうでないところへは若干人数的に縮小するというようなことをやっているのかどうか。教えて頂きたい。
(機構)
同一線路を新幹線と在来線が共用することになるため、本州側では奥津軽駅、北海道側では湯の里信号所に在来線用の追越、退避設備を設置し、在来線がそこで待機し新幹線を通すことができる計画となっている。
また、構造上、在来線は交流2万ボルト、新幹線は2万5千ボルトであり、電圧が異なるため、今回の新幹線工事で共用区間については交流2万5千ボルトに変更する計画である。従って在来線の貨物列車の機関車については、2万ボルト対応のものを、2万5千ボルトと2万ボルトと両方使えるような機関車を整備するということが必要となる。
(機構)
2つ目の質問については、採算が合うかどうかまで機構の審査対象とはなっていない。将来どうなるかについては、再構築計画の妥当性を国土交通省が判断している。また、3点目の質問については、ある整備新幹線には5名体制で数日間審査を行う一方、ある地域鉄道には2名体制で1泊2日間審査するなど、ある程度、人数と審査日数を小さなものは少なく、大きなものは多くという対応をしている。
(委員)
若桜鉄道の場合は、10年間の収支均衡計画の途中で挫折しそうになった場合には、先ほどご説明頂いたホームドクターに相談するという道は残されている訳か。
(機構)
そういう道は残っている。
(委員)
若桜鉄道等の地域鉄道を国が支援している一方で、高速道路無料化のような真逆な政策をとっていることに関して、どう考えているのか。
(機構)
機構から国の政策判断に関する回答はできないが、最近の新聞情報等によれば、高速道路無料化については、地域が限定されつつあると感じている。

議題1〜3についての審議は終了し、各委員が了承

鉄道助成業務に関する動き

事務局から、【資料4】により鉄道助成業務関係の平成22年度予算(概算要求)等について報告。

議題4に係る質疑

(委員)
47ページのコメントに「独法を通すこと自体に問題があるのではないが、通さずに行うことが必要ではないか。」とあるが、本意はどちらなのか。
(機構)
推測に過ぎないが、今回の事業仕分けの中では、当機構以外にも独立行政法人とか公益法人というものを通して補助金が出されているものについて事業仕分けが行われている。その中で特に問題になったのが、補助金を独立法人、公益法人を通す際に、補助金の中から人件費などを差し引いて補助するというケースであったようである。一方、当機構では例えば高度化の補助金であればそのまま事業者に交付され、人件費等は補助金とは別に運営費交付金でいただくので、そういう点では問題がないので、前半のようなコメントになったのではないかと思っている。ただ、当機構を通さなければいけないのかという点は疑問であるとして前ページの評価シートの個別コメントでも4名ほどの方が発言しているので、後半のような結論が残ったと推測している。
(委員)
今回の無駄な費用の洗い出しについては、比較的新幹線はとおりが良いなと感じている。
(機構)
この議論の前提に「整備新幹線自体をどうするかということは今日は議論しないでほしい。フリーゲージに限った議論でお願いする」旨コーディネーターが発言していた。整備新幹線については案内のとおり、今整備中のものは続ける、これから新しく着工する部分は(函館〜札幌、金沢〜福井など)もう一度立ち止まって考えようということなので、鉄道局としては、すでに無駄な部分を省いて仕分けに望んでいたので、比較的新幹線については高速道路に比べるとよい結果となったと思われる。
(委員)
事業仕分けに関しても審査対象の抽出に何か基準のようなものが有ったのか。
(機構)
良くわからない。

議題4(報告事項)についての審議は終了し、各委員が了承。

最後に委員長から本日の議論について下記のとおり総括があった。

○基本的にこれまでの補助金交付或いは審査の執行業務については適切に行われていることが確認できた。
○ただし、補助金が本当に生きるように今後の利用者の利便性にも結びつくようにそのような工夫の余地が有ればそれを追求するべき。
○また審査に当たっては一層の透明性を持たせることが社会的に意義があるのではないか。
○適切に業務を推進していることが確認できたので、是非これまで以上に業務の適正化、推進に努力してほしい。

その他

次回の委員会で審議を行う鉄道助成業務の実施状況に関する個別案件の抽出は杉山委員長が行うこととなった。

※なお、ご意見をいただいた「重点審査項目の抽出基準」については後日策定した。
重点審査項目の抽出基準(PDF:51KB)