平成22年度 第1回 議事要旨

開催年月日 平成22年7月1日(木) 15:00〜17:30
開催場所 鉄道・運輸機構 理事会議室(22階)
出席者
  • 〔委員〕
  • 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学商学学術院 教授)
  • 委員  二村 真理子(東京女子大学現代教養学部 准教授)
  • 委員  加藤 達也(あらた監査法人 代表社員)
  • 〔機構〕
  • 岩崎 貞二(理事長代理)、松岡 和夫(理事)、保坂 春彦(鉄道助成統括役)、
  • 北河 渉(鉄道助成部長)、川尻 栄治(同部担当部長)、山口 禎一(同部担当部長)、
  • 村田 義明(助成第一課長)、岡部 聡(助成第二課長)

配布資料

平成22年度 第1回 委員会資料

概要

鉄道助成業務に関する動き(報告)について

  • 事務局から、【資料1】(PDF:2,958KB)により報告。

議題1に係る質疑

(委員)
【資料1】本助成業務に対して仕分けは入らなかったのか。具体的には、この委員会が機能しているか否かについては、行政刷新会議での議論の対象とはならなかったのか。
(機構)
第三者委員会は論点になっていない。
(委員)
鉄道軌道輸送高度化事業に対して国が直接補助金業務を実施、しかし機構でアシストするとされた。逆に業務が複雑になるのではないかと感じるが。
(機構)
1年だけである。移行期間であるから。
(委員)
平成22年度に限ってということか。理解した。
(機構)
地域鉄道に関する高度化事業と技術開発のみを返せと言うこと。残りはまだやっていくとのこと。今までは政策的なものは霞ヶ関がやって、機構は補助金交付を適正にやっているが、ある種の補助金は機構がやり、元々は国が直接交付をやっていたこともあったが、補助金を交付する業務が2つに分かれた。鉄道局は元々所帯が小さかったにもかかわらず、扱う補助金の額が大きかったので補助金交付業務について機構を通して行っていた。今度返すとなると何が問題になるかというと、国に補助金交付業務のノウハウがなかなか無いから移行の間少し手伝わなければならなくなる。仕分けの結論は受け入れて世の中に迷惑をかけてはいけないので、特に補助を受ける人たちに迷惑をかけてはいけないので、きちんとやっていかなければならないというのが感想である。
(委員)
そうすると一部の業務を移管して1年ぐらいは機構が国をサポートすることになり、人員的には業務が移管したことに伴い、機構の職員が国に移るということになるのか。
(機構)
来年度についてはもしこのまま全て国がサポートなしでやるとなれば、輸送高度化について現在職員が4名いるが、この扱いを考えることは出てくると思っている。
(機構)
それは、減らすと言うこと。但し機構は減らすとしても国の方は定員の管理が厳しい。
(委員)
たくさん補助事業がある中から、ピンポイントで1つ仕分けされるのは、不思議だ。どうしてこの補助金が対象になったのか。例えば2つ目(別紙4)はリニアだけこのようになって、どのような観点から選ばれているのか。
(機構)
地域の鉄道、バス、離島航路など地域交通に対する補助事業を国がやるのが良いのか、地方公共団体とどう分担するのが良いのかそう言う横串的な話で、この補助金が仕分けに上がった。その時におおざっぱに言うと地域鉄道、地方バス、離島航路に対して国が補助金を出すことは、それはそれで国としても過疎地域交通に対する対策としてやらなければいけない、と仕分け人も理解し地域鉄道は若干予算が削られたが国に残った。もう一つ鉄道総研については、リニアに対して国が補助金を出すことは悪いことではないが、そこに独法を絡ませて良いのかということになった。

鉄道助成業務の実施手続きに関する事項

  • 事務局から、【資料2】(PDF:1,154KB)により平成21年度下期の補助金交付要綱の改正等について説明。

鉄道助成業務及び改善意見の実施状況に関する事項

  • 事務局から、【資料3】(PDF:3,335KB)により平成21年度改善意見の実施状況等について説明。

続いて、個別案件の抽出理由について杉山委員から以下のとおり説明があり、事務局から資料に基づき以下の3件を説明。

個別案件 抽出理由
(1) 幹線鉄道等活性化事業費補助
  (北海道高速鉄道開発(株))
札幌近郊区間である札沼線桑園・北海道医療大学間は沿線人口の増加に伴い、年々鉄道利用者が増加している。併せて同区間は札幌圏では唯一の非電化区間であり、気動車の老朽化も著しく、サービスの改善が求められていることから、現在、電化・高速化工事が進められている【北海道高速鉄道開発(株)】を抽出
(2) 都市鉄道利便増進事業費補助
  (相鉄・JR直通線)
都市鉄道機能の強化は、活力ある都市活動及びゆとりある都市生活を実現するためには必要な措置である。そこで、現在、既存の都市鉄道施設を有効活用して速達性の向上を図ることにより利用者利便の向上を増進するため、横浜市西部及び神奈川県央部と東京都心部を直結する工事が進められている【相鉄・JR直通線】を抽出(21年10月に工事施行認可を受け、着工されている)
(3) 鉄道軌道輸送高度化事業費補助金
  (平成筑豊鉄道)
地域鉄道は地域住民の交通の確保のため重要な役割をもっているため、鉄道軌道輸送高度化事業費補助を通じて輸送の継続及び保安度の向上のための設備の整備を進めてきたが、今般、同補助金が鉄道輸送対策事業費補助として国からの直接交付となったことから、最後の案件として比較的整備費の多い【平成筑豊鉄道】を抽出

議題2、3に係る質疑

(委員)
相鉄・JR直通線のケースで機構が整備主体となって、整備費用の1/3は借入している。本機構のような独法はいわゆる格付けの対象とはなっていないのか。資金を借り入れする際の条件として、その格付けが影響しているかどうかだが、もしあれば教えてほしい。
(機構)
AAである。
(委員)
平成筑豊鉄道のケースで非常に興味深かったのは平成元年から積み立てをやっている基金があるということだが、助成することについては直接関係がないのか。基金があると言うことはその分自己資金として持っているので助成を減らすと言うことになるのではないか。
(機構)
基金の有無で補助金や補助割合等が変わるということはない。
(委員)
このようなケースは他にあるのか。
(機構)
他にも数社ある。
(委員)
審査の際に指導されたケースがあった訳ですね。指導されて、その後指導どおりに改善されたという理解で良いのか。
(機構)
はい。
(委員)
抽出案件の2つ目の相鉄・JR直通線の方だが、先ほどご説明いただいた資料の2ページの方で、補助の仕組みというのが記載されているが、機構には鉄道整備主体としてのもう一つの立場があり、結局設備を所有されるという理解で良いのか。
(機構)
はい。
(委員)
そうした場合に資金フレームの資料によれば、借入返済後は、国及び地方公共団体からの補助を逆に返済していくというようなスキームになっており、具体的には矢印の下に「整備費用の補助金の割合に応じて国・地方に納付」とあるが、基本的にこの納付は義務ということで良いのか。
 言葉を変えると、全体の構造として、借り入れしたものは当然負債に計上され返済していくというのは理解できるが、残りの2/3(国及び地方公共団体からの補助)については機構の負債に計上されるのか、それとも返済義務はない収益ということになるのか、要するに借入金となる1/3を返済し終わった後はどのような形になるかお教えていただきたい。
(機構)
この質問につきましては、根拠を含めて後日報告(報告1)(PDF:149KB)させていただく。
(機構)
それから先ほど杉山委員長からご質問のあった「審査の際に指導されてその後指導どおりに改善されたか」ということだが、地域鉄道につきましては契約に関する不備など、まだ十分足りていない状況であり、毎年粘り強く指導しているというのが正直なところである。
(委員)
平成筑豊鉄道だが、財政状況の資料を見るとあまりよろしくないと思うが、このような経営状況の悪いところに対し補助を行って、その後経営がおかしくなった場合、補助したことに対し問題にならないのか。
(機構)
補助金を引き上げたケースもある。その時は、車両等処分したお金について国に返還している。補助する際にこの鉄道が長期にわたって事業を継続できるかなどの見極めも行い補助金を交付している。
(機構)
沿線自治体も含め再生計画を策定したうえで行っているので、まるっきりダメという判断がされた場合には沿線自治体を含め鉄道業として認めない。
(機構)
ということでやっているが、それでも保ちきれないというのはゼロではないということ。
(委員)
このような補助を直前に行っていたということが、問題にならないとは限らないのでは。
(機構)
再生計画上では、まだしばらくは保つということになっている。
(委員)
そのあたりのご判断については、機構の責任ではなく、国の方の責任になるのか。
(機構)
一義的には国だが我々も連帯責任ということになると思う。
(機構)
過去10年を見ると東京から神戸(500q)ぐらい地域鉄道が無くなっている。街の核となっている駅が無くなっているので、そういう意味で鉄道の存在を地域がどう選択するか、一方で地域公共交通活性化再生法というものも出来たのでそう言った法律に基づいて地域鉄道を地域で守っていこうという動きもあるということ。
(委員)
別紙4のところで指摘事項の事例集というものをご紹介していただいたが、高度化事業費補助金に関しての案、これについては初めてお作りになられたという理解でよいのか。恐らく移管がきっかけでお作りになられたということだと思うが。
(機構)
これは移管ではなくて今回審査に入ったときに何か機構に対して要望等はありませんかという問に対し、事業者からこのようなことを教えていただければ次回審査の際に他社と同じことを繰り返えすことがないということから作成することになり、今回高度化が移管することで省でも使用することが出来ることになった。
(委員)
これは他の補助金にも展開していくということは考えていないのか。または共通的に他の補助金にも使用できるということなのか。
(機構)
内容的には地域鉄道事業者に限ったことなので、他の地域鉄道事業者以外ではこのようなことは出ないと認識しているため、他の補助金に展開していくことは考えていない。
(委員)
機構が行っているホームドクター制度と何か関係があるのか。ホームドクター制度を活用する前にまずこれで確認して、それからホームドクター制度を活用するということになっているのか。
(機構)
独自で行っていることで、今後これに対して質問等があって技術的なものがあればホームドクター制度を活用していただければと考えている。
(委員)
ホームドクター制度に関して21年度大体どれくらい依頼があったのか。ホームドクター制度は非常に良い制度だと認識しており、だからこそ地方鉄道の方々に活用していただきたいという願望があるので。
(機構)
件数については後日報告(報告2)(PDF:69KB)するが、聞くところによると相談件数は年々増加しているとのことである。
(委員)
了解した。
(委員)
昨年の改善意見に対するもので、ディスカッション形式の研修会を開いたとのことだが、これは実施した後に報告書を書くとかそのようなことを行っているのか。
(機構)
ディスカッション形式の研修会はあまり縛ると素直な意見も出てこないということで行っている。結果については、概要まではまとめているが、内容を詳細にどのような議論が行われたかというところまでは、整理していない。
(委員)
参加人数のところで1人の方が複数のものに参加しているということはあるのか。
(機構)
ある。
(委員)
ディスカッションしたからといってすぐに成果が出るわけではないと思うのでこれは長期的に見ていきたいと思う。

その他鉄道助成業務の実施に関し必要な事項

  • 事務局から、【資料4】(PDF:777KB)により鉄道助成部の平成22年度の取り組み事項について説明。

議題4に係る質疑

(委員)
補助金の交付状況をガイドブックに載せられたと説明があったが、HPの方の対応として、スペース的、ボリューム的大変厳しいということだったと思うが、それはクリアされたのか。
(機構)
従前はPDFファイルを添付して掲載していたが、今回はデータ表を直接入力するテキスト方式で掲載することによって、データ容量を小さくしたことが挙げられる。
(委員)
この数字を見て内容は何かと疑問をもった方は機構にアクセスすれば、より詳しい内容がわかるという仕組みなのか。
(機構)
交付実績とあわせて、予算についても掲載し、そこで概要を説明している。この両方を開く必要はあるが、予算のところで補助金ごとの概要を見た上で、細分化された事業者別の交付実績を確認していただければ良いと思う。当然、機構に直接問い合わせていただければ内容についてご不明な点があれば、ご説明する。
(委員)
先ほども伺った別紙4の指摘事項の事例集だが、これを拝見していると各項目別に分けていくつか事例が出ているが、審査結果のところで末尾が「指摘」となっているもの、「否認」となっているもの、「指示」というような形で審査結果となっているかと思うが、機構の審査の最終結果というのはOKだが「指摘」で終わる場合と否認に至る場合といくつかパターンがあるということなのか。
(機構)
審査の際に内容を聞いた上で、これは補助対象経費として認められないと判断したものについては「否認」ということですし、直接お金に関係なく例えば約款を整備しなさいというものは「指摘」「指示」であり、人件費等でそこの人数がおかしいだろうというのが出た場合には「否認」となる。
(委員)
明らかなものだけが「否認」となり、例えばP1の3番目に記載の事例では、積算上で若干不備があって、本来であれば相見積もりを行い割高なものにならないはずの事項であるにもかかわらずそれを怠っていたことが判明し、そうすると潜在的には金額面の指摘となる可能性があるが、具体的な金額が算定されるわけではないので「指摘」に留めておいて、以後気を付けるようにと、ということなのか。
(機構)
そうである。
(委員)
前回ご提案申し上げた結果、今回抽出基準を設けていただいて実施されたわけであるが、当然マンパワー、時間としても限られた中で行っているその中で時間を要するような案件、例えば整備新幹線の審査などは内容が多いという事実があり、今後これらを踏まえて抽出区分の見直しをされるということは非常に大事なことだと思うので、今までの結果の中で指摘が多いものとか、誤りが発生しやすい項目などにより多くの時間をかけて審査をするというスタンスで、今後抽出基準の見直しをしていただければよろしいのではないかと思われる。基準を変更する際の基本的な考え方やプロセスは是非明確にして、次の新しい抽出基準を作っていただければと考える。
(委員)
簡単なことで事実関係だけ教えてもらいたい。P8の鉄道施設総合安全対策事業費補助この交付先が(社)鉄道建築協会になっているのが多くてそしてその右に京成とか小田急ということであるが、これは京成電鉄に直接ではなくていったん建築協会に交付し、そして建築協会から流れるということのようだが、例えば京成の213,559,000円のこの数字そのものは機構が決めていて、建築協会が決めるという訳ではないという理解でよいのか。
(機構)
建築協会が補助金の交付金額を定めることはないし、また機構が決めているわけでもない。機構からの交付先としては、建築協会1者に見えるが、京成・小田急等個々の事業分の交付金額として国から交付を受け、それぞれ区分して建築協会に交付している。
(機構)
ガイドブックのP52に記載されているが、真ん中の補助の右側の例を見ると、機構から第3セクター等に補助することになるが、その第3セクターがここでいう建築協会になるわけで、そこが鉄道事業者に貸し付ける。従って京成に貸し付けるということになる。
(機構)
公共事業費はプライベートカンパニーに対して補助金を出してはいけないので第3セクターに出している。
(委員)
他の分野でも国費を補助として民間主体に入れてはいけない、実質的に民間ではあっても第3セクターとか公共的な色彩が非常に強いところでないといけないと、というところでもこのような問題が起こっているという実態があると聞いている。
(機構)
実際こういうところにも出すことも社会的意義が大きいのではないかと思うが、特に公共事業費に制約があるものであるため、こういう形を取らざるを得ない。
(委員)
22年度機構宛にご提出させていただく改善意見は、私の個人的な判断では今説明いただいた資料4の1ページにある内容が必要になるのではないかと思っている。
 その最大の理由は鉄軌道輸送高度化事業費補助金が国に移管されるとの行政刷新会議の決定を国交省が受けてそのようにするとこういうことになっているのでこれは、変えることは出来ないだろうとすると、それがスムーズに運ぶようにということで、機構にもその支援を可能な限り適切に行うことが中心になるのではないかというように思う。
 またリニアに関しても、補助金業務の執行体制について適切な検討が必要ではないか、こんなところがベースになると思う。 そして個別の点として先ほどからの説明の中で、機構が大変効率的に業務を遂行されていることは良く理解したが、ただそれに安住するのもいけないのでこの2に書いてあるような執行業務の効率的効果的な執行というもの、これら2点を中心に申し上げるというのが、骨格なのかなと思う。
 まだ岩倉先生のご意見も伺い確認しなければいけないが、私としてはそんなところが骨子になるのかなというような判断であるが、それに関してはいかがか。
 もしよろしければ文面の作成に関しては僭越ですけども私にご一任いただき、そして岩倉先生のご意見も確認した上で平成22年度の理事長宛の改善意見ということにさせていただければというように考えている。
 なお最終的な文面ができあがった段階で委員の先生方によろしいか確認し、またそこで了解がいただけたら本日の議事録と同時にHPで改善意見についても公表する、というような手続きを取らせていただきたいと思っているがよろしいか。

その他

次回の委員会で審議を行う鉄道助成業務の実施状況に関する個別案件の抽出は岩倉委員が行うこととなった。