平成23年度 第2回 議事要旨

開催年月日 平成23年12月9日(金) 10:00〜12:20
開催場所 鉄道・運輸機構 理事会議室(22階)
出席者
  • 〔委員〕
  • 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学 名誉教授)
  • 委員   岩倉 成志(芝浦工業大学工学部 教授)
  • 委員   二村 真理子(東京女子大学現代教養学部 准教授)
  • 委員   加藤 達也(あらた監査法人 代表社員)
  • 〔機構〕
  • 大黒 伊勢夫(理事長代理)、松岡 和夫(理事)、保坂 春彦(鉄道助成統括役)、
  • 江國 実(鉄道助成部長)、川尻 栄治(同部担当部長)、山口 禎一(同部担当部長)、
  • 宮田 雅史(特定財源管理課長)、村田 義明(助成第一課長)、棚橋 公一(助成第二課長)、
  • 坂本 雅史(鉄道助成部担当課長)

配布資料

平成23年度 第2回 委員会資料

概要

鉄道助成業務に関する動き(報告)について

  • 事務局から、【資料1】(PDF:1,443)により報告。

議題1に係る質疑

(委員)
資料1の3ページ目の第三セクター旅客鉄道の復旧支援についてお伺いします。支援の基本的な考え方として復旧費が年間鉄道収入を上回るような大規模な災害で経営の大変厳しい鉄道の復旧が対象ということですので、対象となる鉄道は限られると思いますが、参考までにどれくらいの鉄道が対象となっているのか教えて下さい。
(機構)
自治体で施設を保有することとなった鉄道に対して補助率のかさ上げをするもので、まだ検討中のものありますが、復旧費が年間収入を上回る、大変経営が厳しいというところは、三陸鉄道、これは自治体が施設を持つと決まったところでございますが、仙台空港鉄道、ひたちなか海浜鉄道、鹿島臨海鉄道こういったところが該当しております。
(委員)
ありがとうございます。それに関連して、平成24年度予算でも三陸鉄道については別途予算がとられているということですが、やはりここが一番ダメージが大きかったという理解でよろしいですか。
(機構)
そのとおりです。
(委員)
ありがとうございました。
(機構)
三陸鉄道については、平成23年度第三次補正予算でもほぼ同額が手当てされております。
(委員)
こちらの補助対象である第三セクターについて経営が大変厳しいという文言が入っていますが、JR東日本もかなりの震災の負担をしていると思います。それに関して何か補助がなされているのですか。
(機構)
JR東日本も大きな被害を受けておりますが、被害額が年間収入を上回っている状態ではないので、このスキームでの支援はございません。
(委員)
全くないのですか。
(機構)
JR東日本については、ルートについて自治体等と検討しておりその際の土地の購入の際に支援をしてほしいという話はあるようですが、まだ、具体的になっておりません。
(委員)
7ページ目の予算の表の見方ですが、2.のBの東日本大震災をふまえた鉄道の防災・減災対策に関する調査の400百万円の内数というのはどこですか。というのは、8ページ目のフリーゲージトレインの75億円というのはよくわかりますが、7ページ目の400百万円というのはこの表にでてくるのですか。
(機構)
8ページ目の「その他」4.の鉄道整備等基礎調査委託費の400百万円の内数であります。
(委員)
わかりました。
(委員)
その他よろしいでしょうか。
(委員)
議題1については、報告を承ったということとしたいと思います。

鉄道助成業務の実施状況に関する事項

  • 事務局から、【資料2】(PDF:7,010KB)により、予算の実施状況等について説明。

議題2係る質疑

(委員)
最初の予算の実施状況の18ページ目のA整備新幹線の整備事業資金についてですが、繰越はゼロとなっており、青い網掛けがされていますが繰越はなかったのですか。
(機構)
繰越はありませんでした。青い網掛けをしているのは、事業資金とその上の整備新幹線整備事業費補助金と一体として審査をしており、交付決定も額の確定も一括して行っているためこのようになりました。
(委員)
わかりました。もう一点、個別案件のホームドアについてですが、鉄道技術開発費補助金として、今回はメーカーを対象とした2つの案件となっています。この補助金は将来に向けての最新の技術の研究開発に対して給付されるものと理解していますが、それに対してのフィードバックというかアウトプットというのか、その研究開発の結果をどのように今後活かすかということを求めるという意味での縛りが補助金を出すにあたってあるのでしょうか。将来事業化されるか否かは不確実性を伴うことでありますが、特にそういったことを求めての補助金なのでしょうか。
(機構)
基本的には、鉄道の技術の水準の向上を図るための補助金であり、当然実用化が図られてしかるべきでありますが、実際にはやってみないとわからない面もあり、結果として実用化が図られなかったものも中にはあると思います。
(委員)
研究成果の公表を求めているわけではないのでしょうか。
(機構)
求めておりません。ただし、補助対象事業者が公表する時には、鉄道技術開発費補助金取扱要領に基づき、当該技術開発が国の補助に係るものである旨を明らかにし、かつ、事前にその内容を機構に提出することになっております。
(委員)
技術開発で特許を取った場合、どのような対応になるのですか。
(機構)
同要領に基づき、補助対象技術開発の結果について、工業所有権を出願し、またはその登録を取得した場合においては遅滞なく機構にその旨を報告することになっております。また、当該所有権を取得した場合においては、国等に対してその実施を許諾しなければならないと規定されております。
(委員)
ホームドアに関しては、かつてはホームドアを設置するとホームの混雑が増して改札規制が行われるということがいわれていましたが、現在もそのような状態なのですか。もし続いているとすれば、混雑が増すことに補助金を使うことについての批判はないですか。もう一点、個別案件での貴志川線について、岡山電気軌道が現地法人を作ったとしても岡山から離れたところで名乗りを上げたことに関して、岡山電気軌道側に何らかのインセンティブがあったのでしょうか。
(機構)
1点目のホームドアについては、ホームが混雑するとダイヤが乱れる等の影響もあるので、そういったことを検証し、問題がないということを確認した上で設置するということだと思います。
(委員)
私はホームドアは安全の観点から必要と思っていますが、それとは別の観点から補助金に対して批判が出ることはないのですか。
(機構)
事業者の中には、ホームドアをつけたいと思っているが、課題もあるので設置が進まないということもあり、こういったホームドアが開発されれば歓迎という面があります。課題を検証した上で、設置するということは必要であると思います。
(機構)
岡山電気軌道がなぜ名乗りを上げたかにつきましては、まずは、沿線住民の存続への熱い思いがあったこと。和歌山電鐵の前に貴志川線を運営していた南海電鉄は、廃止を表明した後もきちんとインフラ整備をしていたこと。和歌山電鐵の親会社である岡山電気軌道は中小鉄道の経営のノウハウがあったことから鉄道を経営していけるとの経営判断があったことなどです。
(委員)
ありがとうございました。
(委員)
関連した質問をさせていただきます。この案件においては、用地費は地方公共団体が出して、それを和歌山電鐵が借り上げて、施設整備についてさらに経費を負担し、かつ移管後10年間は8.2億円を上限に欠損補助を行い、経費圧縮や沿線の開発、また、当初は目新しさもあって輸送量が伸びましたが、今現在の決算状況はどのような状況でしょうか。
(機構)
平成20年度においては、本業の鉄軌道業は6,900万円の赤字となっております。なお、和歌山電鐵が開業した平成18年度では、鉄軌道業は8,100万円程、平成19年度では5,300万円程の赤字となっております。また、本業の赤字に営業外の損益を加えた経常損益でも黒字とはなっていない状況です。平成20年度においても経常損益は約4,000万円の赤字となっております。一方、資料の27ページ目になりますが、移管後10年間の欠損補助で、市・町は8.2億円を上限に実施しますので、1年間当たりでは8,200万円ということになります。こちらは特別利益ということで毎年会社に入っております。この結果1年目の平成18年度の当期損益は7,700万円の赤字でありましたが、19年度、20年度では当期黒字を計上し、平成19年度は4,800万円、20年度には2,900万円の黒字となっております。
(委員)
そうしますと補填を受けてようやく黒字になるということですか。それにより10年間は何とかなるものの、それ以降も損失補填が延長される可能性はありますが、自力ではなかなか経営できていない状況であるということでしょうか。
(機構)
本業である鉄軌道の儲けが赤字だということは厳しい状況だと思います。輸送人員については、通勤定期が20年度までは18年度に比較して伸びていますが、20年度から21年度、21年度から22年度を比較しますと対前年度を下回っておりますので、いわゆる固定のお客が減っていることになります。一方、定期外は横ばいになっております。沿線に張りついている生産年齢人口のデータはないのですが、和歌山市全体の5年ごとの国勢調査ベースで見た場合、平成12年から平成17年の5年間の比較で15歳から64歳の生産年齢人口は、6.7%減少している状況です。今後、日本全体で働く人々がどんどん減少していく状況なので当然この沿線も変わらない状況と考えられるので、いかに固定客をつかむ、又は引き続き定期外の旅客をつかんでいくかは非常に重要な話となります。
(機構)
ご参考までに、最近の「数字で見る鉄道2011」で平成21年のデータがありますが、和歌山電鐵は、全事業の経常損益が平成20年度は、6,900万円の赤字でありましたが、21年度は7,600万円と赤字が増大しております。
(委員)
10年間は欠損補助があるということですが、11年以降の措置はないのですよね?ということであればもしかすると撤退もありうるのではないかと感じながら話を聞いておりました。駅や変電所に国が補助をする場合には、少なくとも何年間かは事業を継続しなければならないという制約はあるのでしょうか。
(機構)
制約はありません。ただ、補助金は国の貴重な財源で賄われておりますので、すぐにでも廃止してしまうような事業者に対してはなかなか補助はできないこととなります。また、当然事業費全てに対し、全額補助するのではなく、事業者も自己負担がありますので、そういう意味では無駄になってしまうようなところには補助は行われないこととなります。
(委員)
この貴志川線において変電所整備で所要時間短縮はどれくらいになるのでしょうか。また、運行本数を増加するような施策をとることになるのでしょうか。税金を投入していますので、ベネフィットとコストのバランスが合っているのかということのチェックはしているのでしょうか、スピードだけであればいろいろなやり方があると思うのですが、変電所の投資だけで足りるという判断はどのようなステップを踏んでいるのでしょうか。
(機構)
まず、所要時分の短縮についてですが、和歌山電鐵からは、机上の計算では、数分の短縮と聞いております。平成23年度で昇圧工事が完成いたしますので、実際の走行状況を確認しながら短縮時間の精査をするとのことです。また、今回の投資をすることによってそれだけで改善が図られるのかどうかにつきましては、同社は、先ほどご説明しました総合連携計画の中において、例えば、貴志川線を利用しやすくするパークアンドライドの充実を図るとか、或いはイメージアップのためのいろいろな施策を打つ、また、いろいろな情報発信や沿線地域でのイベントによりまして、引き続き、観光客が来てもらえるようにする等の施策があります。そのような全体の計画で盛り上げて行くことになります。
(委員)
幹線鉄道等活性化事業費補助は、コンサルティングしてくれる人材にも補助金が出せるようになっていると思いますが、私は地方鉄道を応援したいと思っておりますので、うまく活用して、本当にいいと思われる施策を進めていただきたいと思います。いろいろなことを検討していった結果、変電所の改良に至ったのではないかと思いますので、きちんとした検討をやっているということをPRすべきではないかと思っております。
(委員)
補助金というのは、何に使ってもいいというものでは困りますが、ことこまかに使途を限定するとかえって効果を損なうということにもなりますので、いかに補助金が効果的に使われているかということの全体的なチェックは今後も要請されていくと思います。岩倉先生もそこを指摘されたのだと思います。
(委員)
そのほか如何でしょうか。ご意見がなければ、資料2については、対象範囲、平成22年度繰越分も含めた予算の執行状況、個別案件の以上に関しまして、機構として着実に行っているということでよろしいでしょうか。
(委員一同)
了解。

その他鉄道助成業務の実施に関し必要な事項

  • 事務局から、【資料3】(PDF:2,594KB)により平成23年度改善意見の実施状況等(中間報告)について説明。

議題3係る質疑

(委員)
39ページ目の平成23年度における工事等の件数が多大な事業における抽出基準に ついて、契約件数で20件を超える事業については地域鉄道に係る事業を除きとなって おり、その下には幹線鉄道等活性化事業費補助というふうに入っていますが、ここは地 域鉄道に係る事業を除きという言葉が必要なのかどうかと不整合が起きないのか教えて 下さい。
(機構)
地域鉄道については、実際にも件数が多くないので、抽出を行う必要がないと思いま すが、基準としても、抽出を行わないということにしております。それ以外については、 20件を超えたら20件以上抽出して審査、20件以下であれば当然全部を審査するこ とになります。
(委員)
抽出して詳しく調査ということではないのですか。
(機構)
地域鉄道は20件超えても全部見るということです。
(委員)
わかりました。
(委員)
地域鉄道の情報提供に関するアンケートについてですが、このようなアンケートは従前から行っていたのですか。
(機構)
今回実施したアンケートについて、こういう形でのアンケートは今回が初めてです。
(委員)
ありがとうございました。この回収状況が23%ということでこれが高いと見るか低 いと見るかについてはいろいろな評価があるかと思いますが、サービスの提供主体とし てはサービスを受ける側の需要を把握しておくのは非常に大事なことだと思います。要 望事項をみるとあらかじめ質問の中に織り込まれた項目について答えた会社の社数が書 かれていますが、上位の3項目は10社以上が要望されていることからここから何らか の傾向が読みとれると思います。アンケート調査を毎年行うとなると回収状況も落ちて くるかもしれませんが、定期的にこういったことを行って事業者の声を吸い上げるとい うことは必要なことであると思います。もう1点は研修について、資料3―4で、体系 が整い、システマチックに実施されているということが理解でき、以前と比較して整理 されたと感じました。今後この研修をどう展開するかですが、行わなければならない研 修と、その時々の状況に応じてテーマが毎年変わるものもあると思いますが、一度受け た研修を二度受ける必要があるのかどうかという観点からいろいろご検討いただき、工 夫して実効性のある形で実施していただければいいと考えます。
(委員)
第一点は感想ということで、第二点について、効率的に行うために繰り返しの研修に 対し何か工夫が必要ではないかということについてはどうでしょうか。
(機構)
研修対象者について、経験の浅い者とある程度経験をされた者と研修を分けても構い ませんが、実際研修のサイクルとして、初めて助成部にこられた方が研修を受けて同じ年に補助金審査に行って補助金審査が終わるとまた翌年の研修が始まるということになっており、研修を一度受けてもその時得たものと一度現地に行って経験を積んだ人がもう一度受けるものとでは研修の効果が変わってきます。基本的には助成部の方が全員受けるという形になっており、研修の内容については、現場研修においては同じ内容にならないようにしたいが、補助金の経理とか制度とかは基本的なものについては毎年同じもので研修を進めていきたいと考えております。
(委員)
効率性を考えながらいろいろプログラムを作っていますが、人が転勤で変わることが ありますので、さらに効率的になるようにしたいと考えております。
(委員)
参考でありますが、私たちの業界では、職業倫理という毎年履修が必須となっている 研修科目があります。職業倫理なので内容は毎年ほとんど変わりません。このような普 遍的なものに加えて、世の中の変化に応じて毎年いろいろなテーマの研修を受けるとい う体系になっています。実情に応じて、効果的かつ効率的に研修を実施していくかがポ イントとだと考えて述べさせていただきました。
(委員)
事例集についてですが、事業者も読むと思いますので、これは活用されていくものと 思います。また、事例集を見ていく中で分からないことは機構に問い合わせをしようと いうインセンティブも働くものと思います。是非来年反応をきかせてもらえればと思い ます。東日本大震災に対する対応状況について、災害復旧支援事業に対する補助金の補 助率をかさ上げしている点についてはよいと思います。アンケートについても、事業者 から要望を吸い上げているのでよいと思います。研修について、技術と経理に分けられ ていますが、委員が和歌山の鉄道の高速化の事例で実際に導入した手法が、最も良い手 法であったかどうかの効果分析についていいコメントを出されていましたので、何か事 業を行った際の費用便益分析なり費用対効果分析について会計制度ではない評価につい て研修に入れられてもよいと思いました。
(委員)
その点は、現段階では難しいと思いますので、ご意見として検討していただければと 思います。今の点に絡みますが、38ページ目の重点項目の4.で新しい事項として示 されていますが、会計検査院の指摘について、我々の第三者委員会は助成業務の審査で あり、検査院の視点とは違いますが、さりとて私どもの任務も補助金が適正に運用され ていることが前提になっていると思います。その点で第三者委員会ももっとしっかり指摘すべきと検査院から要望があるのでしょうか、実は委員も鋭く指摘されていますが、委員会は年2回の開催となっている一方で、検査院は定常的に検査を行っていますので、同一に考えるのは無理ですが、検査院からそのような要望がきているか情報があれば教えて下さい。
(機構)
検査院からそのような指摘まではいただいておりません。今回の会計検査院からの不 当事項の指摘は国土交通省に対してであり、直接機構に対してではありません。しかし ながら、私どもも貴重な税金が財源である補助金を交付する業務を行っておりますので、 このような指摘を踏まえてしっかりやっていきたいと考えております。
(委員)
わかりました。私どももできる限り検査院から指摘がないような形を目指したいと考えております。その他改善意見については、次回に最終報告をいただきたいと思いますが、現段階で報告された点については、中間報告としてはしっかり取り組んでいるということでよろしいでしょうか。
(委員一同)
了解。