平成24年度 第2回 議事要旨

開催年月日 平成24年12月7日(金)10:00〜12:00
開催場所 鉄道・運輸機構 理事会議室(22階)
出席者
  • 〔委員〕
  • 委員長 杉山 雅洋(早稲田大学 名誉教授)
  • 委員  二村 真理子(東京女子大学現代教養学部 准教授)
  • 委員  加藤 達也(あらた監査法人 代表社員)
  • 委員  金子 雄一郎(日本大学理工学部 准教授)
  • 〔機構〕
  • 原 喜信(理事長代理)、瀬川 雄次(理事)、澤 淳(鉄道助成統括役)、
  • 江國 実(鉄道助成部長)、豊田 伸二(同部担当部長)、山口 禎一(同部担当部長)、
  • 遠藤 直明(特定財源管理課長)、新津 武史(助成第一課長)、
  • 棚橋 公一(助成第二課長)、高橋 智行(鉄道助成部担当課長)

配布資料

平成24年度 第2回 委員会資料

概要

1.鉄道助成業務に関する動き(報告)について

  • 事務局から、【資料1】(PDF:1,170KB)により報告。

議題1に係る質疑

(委員)
概算要求に関しまして、12月2日(日)の中央自動車道の笹子トンネル天井落下事故を受け、今後、鉄道のトンネルについても緊急点検等を行うことになるのでしょうか。
(機構)
まだ国土交通省から指示が来ておりませんが、過去の例を見ますと、JR西日本の山陽新幹線のトンネルやJR北海道の室蘭本線のトンネルで発生した覆工コンクリートの剥落事故を受け、鉄道事業者各社において緊急点検等を実施しております。今回のつり天井落下事故とは構造的に違いますのですぐ同様な調査とは考えていませんが、今後、国土交通省から何らかの調査の指示が来ましたら当機構としても出来ることは十分踏まえてやっていくことになると考えています。
(委員)
付け加えさせていただきますと、これらの鉄道の事故がおきましたのは平成11年でしたが、山陽新幹線の福岡トンネル及び北九州トンネル、室蘭本線の礼文浜トンネルで覆工コンクリートが剥落した事故です。これを受けて国土交通省に「トンネル安全問題検討会」を設けまして、「トンネル保守管理マニュアル」を作成しております。当時、総点検として主に直近による目視検査と打音検査によりトンネルの健全度をチェックしております。打音検査は覆工コンクリートをハンマーでたたくわけですが、濁音の場合はハンマーでたたき落とすことを基本に実施しております。今回の事故は、つり天井の落下事故ですが、笹子トンネルと同様の構造の鉄道トンネルはないと思います。
(機構)
唯一あるとすると、新幹線の電車線を支持するための下束(さげづか)がトンネルの天井より吊る構造となっていますが、それを押さえているところが同じような構造になっています。これはただちに検査の対象になってくると思います。
(委員)
トンネルと同様に橋梁が危ないという話についてももれ聞こえてきますが、今後国土交通省の検討会で橋梁も同様に検査する可能性というのはどうでしょうか。
(機構)
橋梁も耐用年数の50年、40年を超えて使われているものもありまして、老朽化が進んでいるのも事実ですが、それについて今回の検査対象にするかはまだお答えできない状況です。
(機構)
老朽化した橋梁については、鉄道事業者が自主的に架け替えているケースもあります。鉄道の線路で橋梁の手前でちょっとだけカーブして渡っていくところがありますが、そこが橋梁を架け替えているところです。先ほどコンクリートの剥落の話がありましたが、高架橋から人家にコンクリート片が落下したケースがこの間も四国でありまして、山陽新幹線の海砂を使った時期と一致していたことから、鉄道会社はその時期につくった橋梁を一斉に点検した例がありました。我々の気がつかないところで盲点というのがあるかも知れませんので、もぐらたたきをしてでもつぶしていかなければと思っております。
(委員)
もう一つ話題になっている話として東日本大震災復興会計から日本全国にお金が回っているという議論がしばしば行われております。平成25年度鉄道局関係予算概算要求概要の中で鉄道施設の耐震対策で南海トラフ地震対応等の項目があり、これは東日本復興と関係ない地域に回っているように見えますが、これは予算要求で認められたものでしょうか。
(機構)
東日本大震災と関係のない予算は止めなさいという件がありまして、全体で168億円ほど止められた経緯があります。なお、国土交通省鉄道局関係の平成24年度予算に関係するものはありません。ただ、平成25年度につきましては、首都直下型地震ですとか南海トラフ地震関係の地震対策として必要な駅について耐震補強を行うということで東北以外でも全国的に必要なところは実施していくこととしております。
(委員)
地域によらず、必要なことは利用者の立場としても行っていただきたいと思います。
(委員)
鉄道施設の耐震対策の強化について対象をお伺いしたいと思います。阪神大震災以降高架橋や地下トンネルの耐震補強をやられていると思うのですが、今回さらにそれを推進するということで対象が広がっているのでしょうか。
(機構)
耐震対策の予算要求についてですが、新幹線について駅の耐震対策は100%終わっており、在来線についても90%以上終わっていますが、店舗等高架下利用者との調整が耐震化促進の阻害要因となっている等の課題がございます。現行の駅の耐震補強対策については補助による支援策を継続要求で期限を平成27年度末と設定済みです。また、現行の重要線区の耐震対策についても期限を平成29年度末に新たに設定しています。新規対策としまして、首都直下地震・南海トラフ地震で震度6強が想定される地域等の乗降客が1日1万人以上の駅とか片道断面輸送量1日1万人以上の路線を対象とし耐震対策を要求しております。
(委員)
鉄道事業者が計画を策定して補助をするということでしょうか。
(機構)
予算がつきますと鉄道局から各運輸局に対して指示が行きまして、該当するところを全部調査しピックアップすることになっておりますが、具体的には伺っておりません。
(委員)
毎回同じ説明をしているのですが、6ページ以降の評価委員会の評価結果について、昨年機構ではSSを一つ頂戴していますが、これはノーベル賞級の大変すばらしいことと思うのですけれども、多くの場合、まず付くことはほとんどありません。通常はAかSということで、Sは優れた実施状況にあると認められるもの、Aは着実な実施状況にあると認められるものという評価になっていると思います。7ページの総合評価は、Aが29項目と最も多い、そのため、総合評価でAとなります。助成業務ではAということで十分合格点をもらえたとご理解していただいてよいと思います。

2.鉄道助成業務の実施手続きに関する事項

  • 事務局から、【資料2】(PDF:183KB)により、鉄道助成業務の実施手続きに関する事項について説明。

議題2に係る質疑

(委員)
消費税がらみの改正については、消費税を上げるので改正することではなく、本来的に問題であったので、改正したという理解でよろしいでしょうか。
(機構)
払ってはいけない消費税を払っていたという事例がありましたので、改正することにしたものであります。
(委員)
議題2につきましては、特段問題なしとさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
(委員一同)
了解。

3.鉄道助成業務の実施状況に関する事項

  • 事務局から、【資料3】(PDF:6,896KB)により鉄道助成業務の実施状況に関する事項について説明。

議題3に係る質疑

(委員)
東北新幹線の工事に関してお伺いしたいのですが、開業後の残工事が残っているとのことですが、今後どのような工程が何年度まで残っているのでしょうか。
(機構)
平成24年度までは、環境対策等の残工事が残っておりますが、25年度以降はないと考えております。
(委員)
それから、13ページに記載の脱線逸脱防止対策工は、安全対策にかかわるものであり、このような工事は通常開業前に行うものと考えていたのですが、今回のように開業後に行うこともあるのでしょうか。
(機構)
細かい内容は承知しておりませんが、東京起点方から工事を進めてきておりますが、計画が整わなかったのではないかと思います。
(委員)
開業して営業運転するにあたって、脱線逸脱防止対策工について全線ではなく一部が追加となったという理解でよろしいでしょうか。
(機構)
関東の方から徐々にやってきておりまして、仙台ぐらいまでが脱線逸脱防止対策工等ができており、その先はまだだったのではないかと思います。計画がどうだったか確認しておりません。
(機構)
当該区間の工事はJR東日本に委託して行っております。平成16年に発生した新潟県中越地震により新幹線の営業列車が初めて脱線したのですが、先頭車の排障器と車輪との間にレールを挟み込んだことにより、先頭車両が軌道上を大きく逸脱しなかったため、列車が大きく逸脱することなく軟着陸して大事故には至りませんでした。そこで、新幹線が地震などで脱線した場合に被害の拡大を防ぐために、JR東日本では車両側   にL型のガイドをつける工事を新幹線全車両について実施しております。一方、地上側では車両が脱線した場合、車輪のフランジがレール締結装置を破壊した場合であってもレールが転倒しないようにするレール転倒防止装置を設置しております。この地上側のレール転倒防止装置の設置工事を脱線逸脱防止対策工と呼んでおりますが、この工事をJR東日本に委託しております。
(委員)
環境対策のところの日照権の問題について、補助金は1度お支払いをすればよいものかどうかお教え下さい。
(機構)
日照権の問題については、30年分を一括補償ということで行っております。
(委員)
民家も一括補償ですか。
(機構)
民家も30年分を一括補償しています。対象は日照時間が4〜6時間程、対象家屋は青森市内の4軒となっています。
(委員)
30年過ぎれば今度はJR東日本が負担するのですか。
(機構)
30年で終わりと考えております。
(委員)
10ページで新幹線の利用客が大幅に増加しているということですが、競合手段とし て航空機があります。トータルでどのように変化したのか調べていらっしゃいますか。
(機構)
この地区では新幹線が有利になったので相当航空は落ち込んだと思います。
(委員)
19ページに新青森駅の写真があったのですが、新青森駅周辺の開発状況は如何でしょうか。
(機構)
まだ進んでおりません。これからさらに新幹線が伸びていけば開発が進んでいくと思います。
(委員)
札沼線の工事事業主体である第三セクター会社がまだ北海道で仕事を担当しうる余地が残されているのですか。おそらく新線は北海道では考えにくいですし、あるとすればこのような電化工事でしょうか。
(機構)
JR北海道の営業キロは、国鉄時代約4,000キロあった鉄道路線は、現在、約2,500キロに減少しています。輸送密度4,000人以上の路線は約3割しかなく、そのうち8,000人以上の主要幹線は高速化事業がほぼ終わっており、新たな事業としてはあまり考えにくいのではないかと思います。
(機構)
JR北海道としては、DMV等でもって50人ぐらいの輸送量の線をどう維持してい くかが課題でして、高速で大量輸送をする路線を今後整備するところが残っていないと 思います。
(委員)
この路線は、上下分離ですよね。そうすると第三セクター会社は貸付料でやっていけるのかどうか教えて下さい。
(機構)
かかった資金を貸付料で回収していくスキームとしていることから、最終的な会社収支は相償うものと考えております。
(委員)
もう1点、35ページと37ページに電車化の前と後で時間短縮の表があるのですが、時間が変わらないもしくは増えている事例がありますが、これはどう考えればよろしいでしょうか。
(機構)
資料の30ページに札沼線の路線図がありますが、あいの里教育大駅から先が単線になっています。この区間では列車がぶつからないようにダイヤを組む必要がある等のこ とから、ダイヤの調整をしなければならないといった理由で、所要時間が増加した列車があるということです。
(委員)
このような電化の工事は営業時間外の夜間に行うものでしょうか。それとも営業時間内に列車が通りながら工事が進められるのでしょうか。
(機構)
電車線工事のように列車が走っていない時間帯に工事を行うものと変電所新設工事のように昼間でも工事が可能なものがあります。
(委員)
札沼線の費用対効果についてどのようになっていますか。
(機構)
直接的な経費減としましては、電車化することにより気動車のメンテナンスコストが不要になることや札幌圏で一体的な車両運用ができることによる効果等があります。
(委員)
事前評価でB/Cは出しているのですか。
(機構)
出しております。
(委員)
36ページにエアポートを石狩当別まで延長運転しているという話がありましたが、その効果はあるのでしょうか。
(機構)
36ページに書いております早朝の快速エアポートの新設に合わせ札沼線の始発時刻が繰り上がったため、朝早い飛行機に搭乗といった利便性が向上されたのではないかと考えております。これとは別に区間延長運転も実施されましたので、利用機会が増加し同様に利用者利便が向上されたと考えております。
(委員)
整備が終わった後の運用段階については、JR北海道の経営判断によるものでありますが、沿線住民の利用者利便が向上されることは、非常に重要だと思います。
(委員)
他に何か質問等ありますでしょうか。なければ資料(1)から(4)について、適切に行われているということで了解したいと思います。
(委員一同)
了解。

4.その他鉄道助成業務の実施に関し必要な事項

  • 事務局から、【資料4】(PDF:1,966KB)によりその他鉄道助成業務の実施に関し必要な事項について説明。

議題4に係る質疑

(委員)
補助金勉強会についてですが、良い例だと思いますし今後も続けていただければいいと思います。また、説明の中で補助金担当者と違う部署の方が来てしまったという話がありましたが、事前に補助金勉強会の内容をお知らせしていなかったのですか。
(機構)
事前に資料を配布してお知らせしていたのですが、内容等の細かいところまでは行き渡っていない点があったと思います。
(委員)
他の部署の人がみれば通常ならわかると思うと理解してよろしいですか。
(機構)
本来はそうだと思います。
(委員)
それから意見の要望の欄で、もう少し意見交換の時間がほしかったという意見がありますが、意見交換というのはディスカッションの時間でしょうか。それとも質疑応答のことでしょうか。
(機構)
質疑応答の時間が今回20分から30分と短かったため、基本的には質疑応答が中心でしたが、中小鉄道事業者からの意見等もお聞きしながら回答していたところもあったと思います。
(委員)
今後いろいろな意見を吸収していただいて、改善していただければ結構だと思います。
(委員)
内部審査に関してお伺いしたいのですが、今回初めての試みということで私どもの意見に対して対応されたということは評価されると思います。通常の審査業務の中で担当者が最終的な審査結果を出し補助金交付を行う際のチェックは事後のチェックとなり、内部審査はその後に行われるダブルチェックという位置付けだと思いますが、事前のチェックについては実際の業務の中でどのようにしているのですか。
(機構)
事前のチェックとしては、交付決定がなされた後の概算払や実施状況報告の中でその数字が正しいのかどうかといったチェックをしています。また、4月の上旬頃に行う額の確定の段階で、審査時に確認できなかったものについて確認することとしております。
(委員)
そういう意味ではトリプルチェックということになりますね。それと内部審査項目は項目毎に対象案件を選んで実施されていますが、内部審査項目と重点審査項目の二つの関係はどのように考えられていらっしゃるのですか。
(機構)
今回の内部審査は第1回目であったこともあり、重点審査項目を念頭に設定したということでございます。
(委員)
内部審査の対象案件について、それぞれ審査項目毎に概ね2つずつ対象を選ばれているのですが、この選定はどのような方針で決められているのですか。
(機構)
この度の内部審査項目は重点審査項目や会計検査院の決算報告等で指摘された項目を踏まえて審査項目としました。その中でさらにどのように選定するかということですが、予算規模の大きさとか補助金の事業規模等を勘案して決めました。また、審査項目の3番目は公的主体が補助対象でありますのでそういった事業主体の中から抽出をしました。
(委員)
そのような方針で要件を満たすものを選んだということはどこかで明文化されているのですか。
(機構)
特に明文化したものはありません。
(委員)
補助金アドバイス事例集についてわかりやすくてよいと思いますが、見ておりますと契約について規程がない会社があるということですが、公費を使って契約する以上、社内規程がないのは信じがたいのですが、少なくとも今はないという理解でよろしいでしょうか。
(機構)
実際に中小鉄道事業者に行って予定価格や契約等を審査しますと地元の事業者と随意契約をしているところが多いので、社内規程を備えるところまで考えていないという事実がありました。中小鉄道事業者の全部ではないのですが、契約に関する規程等を作っていない事業者があれば作るように指導しています。
(委員)
契約等に関する規程の事例をアドバイス集に掲載するなど意識を高めるような指導をお願いします。
(機構)
わかりました。
(委員)
実際に中小鉄道事業者はマンパワーが不足していることから、当然実施するべきことが実施されていない。そのため、アドバイス事例集も具体的な事例を挙げながら懇切丁寧に掲載しないと活用してもらえないのではないかと思います。
(委員)
内部研修もやったというのは伝わりますが、先生方の意見は内容を伴ってほしいということだと思いますので、内容の充実に心がけていただければと思います。
(委員)
そうしますと中間段階でございますが、私どもが出しました「改善意見」について、適切に対応しているということでよろしいでしょうか。
(委員一同)
了解。