JRTTの将来
JRTTが主要業務としている、鉄道や船舶の役割は時代によって変わってきていますが、その重要性は変わることなく、近年では環境にやさしいということでより一層注目されるようになっています。
社会の変化に対応して、より一層安全で安心な、環境にやさしい交通ネットワークをつくるべく、私たちは、「国民経済の発展と国民生活の向上に寄与する」ことを使命としています。
鉄道建設では、2024年3月に北陸新幹線(金沢・敦賀間)、2022年9月に西九州新幹線(武雄温泉・長崎間)が開業しました。
一方で、現在は北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の建設を進めており、10年スパンで取り組んでいく大プロジェクトとなっています。
これらの建設プロジェクトを「建設主体」としてマネジメントし、予定された期日までに開業させることが、私たちにとって最も重要なミッションです。
また、新幹線建設以外にも、鉄道関係の技術者を多く抱える国内唯一の公的機関としての役割を果たすため、都市鉄道の建設や、自然災害等により被災した鉄道施設等の復旧支援、海外への技術協力などの事業も行っています。このように、今後もその時々の社会のニーズに的確に対応していくために果たすべき役割が多くあると考えています。
さらに、船舶共有建造業務においても、老朽化した内航船の代替建造の促進など、内航海運を支えるために取り組むべき課題が多く存在しています。
こうした役割を担うべく、今後も国民から必要とされる組織であり続けるために、機構の将来を一緒に創っていく、若い力を必要としています。


セメント専用船「絆永丸」

定期船貨客船「おがさわら丸」

2014年に全線で運行を再開した三陸鉄道

(金沢・敦賀間)
海外高速鉄道プロジェクトへの参画

2018年8月に「海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律」(海外インフラ展開法)が施行されました。JRTTは、同法律に基づき国土交通大臣が定める基本方針に従い、海外高速鉄道プロジェクトに参画していくことになりました。これまで国内の新幹線建設で培われた調査から完成までの土木、建築、機械、電気工事の一貫した遂行能力と部門間の調整能力を、関係する我が国事業者との連携・協力のうえ、海外プロジェクトでも発揮することが期待されています。
鉄道災害調査隊(RAIL-FORCE)

国からの派遣要請内容に応じた職員を各分野
(土木・軌道・建築・電気・機械)から選定して
鉄道災害調査隊を編成し、速やかに現地に派遣
近年、激甚化・頻発化している自然災害によって多くの鉄道施設が被災しています。特に中小の鉄道事業者は要員不足・技術者不足が顕著であり、万全の対応を行うことが困難な状況となっています。そのため、一度被害が生じてしまうと、復旧までにかなりの日数を要することとなり、地域に暮らす人々の生活を支える交通インフラとしての機能が長期間滞るケースが見受けられました。このような状況を踏まえ、JRTTの職員で構成する「鉄道災害調査隊(RAIL-FORCE)」が2023年に発足しました。JRTTが保有する鉄道建設に関する豊富な知見やノウハウを活かし、国と連携しながら、いち早く被災現場に出向いて全体像の把握、個別施設ごとの被害状況の調査、本格復旧に向けた技術的助言等の支援を行うことで、災害復旧支援活動の強化や復旧の早期化が図られることが期待されています。