仕事内容
調査・計画を行う。
現在、私が担当しているプロジェクト調査業務は、構想段階にある鉄道の新規路線や既設路線の延伸について、将来的に路線を整備すべきか関係者が判断するための材料を提供する仕事です。その判断材料のひとつに、費用対効果と呼ばれる指標が用いられており、「費用」と「効果」、それぞれの検討が必要となります。「費用」においては、都市や交通の状況等を踏まえた最適なルートや駅位置の選定、またそれらの構造形式や工法及び各種設備の検討、さらには運行計画案の作成等を行います。一方「効果」の算定では、現在の交通機関の利用状況や人口の変化等を考慮して将来需要を推計します。また、その推計やルートの検討、施工方法の検討をするために現地を歩いたり、ボーリング調査の計画を行ったりするなど、さまざまな情報収集を実施しています。
前の部署では、施工監理を主に担当していたため、現在の業務とは業務内容が異なるのですが、実施工を想定した計画を行うことで、前の部署で得た知識や経験は役立っていると感じています。また、異なる職務に就くことで、新しい気持ちで仕事に取り組むことができています。住環境面は全て会社がサポートしてくれますし、上司をはじめとする周囲の力添えもあって、すぐに新しい職場にも馴染むことができました。異なるフィールドでも日々、上司からフォローをいいただきながら、業務遂行に努めています。


仕事のやりがい
これまで担当してきた現場の施工監理業務では、図面の構造物が現地で構築され、完成していく様子を見ることに達成感とやりがいを感じてきました。それに対して、現在担当しているプロジェクト調査業務では、そのような“目に見える”成果がたくさんあるわけではないのですが、ルートの選定や駅位置の検討といった新線計画の初期段階である重要な業務に携わっており、地図を変えるような壮大な計画の動き出しを担っていることに日々やりがいを感じています。
これまで従事した施工監理業務では、北陸新幹線(金沢・敦賀間)において最長の橋りょうである手取川橋りょうの施工監理業務が印象に残っています。河川内の工事においては、工事可能な期間が梅雨や台風の影響が少ない非出水期(10月16日~6月14日)の8か月間に限られており、4回の非出水期の間で全ての河川内工事を完成させるように計画されていました。そのため、非出水期の間に工事が完了しない場合は、工事が1年延期となるリスクがありました。そのような制約の中、3回目の非出水期では大雨による異常出水や記録的な豪雪の影響により工事が出来ない期間があり、工程がひっ迫した状況になりましたが、工事を担当する受注者(建設会社)の担当者との工程検討や河川管理者との協議により、無事、予定の工期内に工事を完了させることができました。厳しい状況下でも、多くの関係者の協力のもと、プロジェクトを達成することの喜びを感じることができた経験です。


仕事の進め方
同じゴールを見据えて仕事に取り組むことが大切。
JRTTの業務はチームワークが非常に大切だと考えています。新線建設にあたっては、土木系統の仕事だけでも、調査・設計・積算・施工監理など幅広い分野があり、受注者や地方公共団体、鉄道事業者など多くの関係者もいます。それ以外にも、機械系統・建築系統・電気系統が担う設備部門や事務系統が担う用地取得部門など、社内の他部門との調整も必要です。そのような多くの関係者と綿密にコミュニケーションを図り、同じゴールを見据えて仕事に取り組むことで仕事の熟度やスピードは2倍、3倍にも上がると考えています。
今後の目標は、鉄道建設に係る業務の全般を担うことができる技術者になることです。鉄道の建設にあたっては、幅広い知識や技術が欠かせません。先人たちが築いてきた技術を継承し、今後の交通ネットワークの構築に貢献できるように努めたいと考えています。将来の夢は、自分の担当したプロジェクト調査が事業化され、設計や施工監理業務に携わり、開業させることです。事業の最初から最後まで業務を担い、業務を完遂した時の喜びは計り知れないと思います。
JRTTでは様々な分野の仕事にチャレンジできますし、チームワークを重視して取り組むことができる人には、是非おすすめしたいです。
ある1日のスケジュール
8:50 | 出勤 |
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09:00 | メールチェック |
10:00 | 受注者(コンサルタント会社)との打合せ |
12:10 | 昼食 |
13:00 | 情報収集及び業務資料作成 |
14:00 | 地方公共団体との打合せ |
16:00 | 打合せ資料の作成 |
17:30 | 明日のスケジュールを確認して退社 |
キャリア
- 2014年
- 九州新幹線建設局 工事第二課
西九州新幹線(武雄温泉・長崎間)の土木工事の発注業務、現場工事のバックアップなど - 2015年
- 九州新幹線建設局 武雄鉄道建設所
西九州新幹線(武雄温泉・長崎間)のトンネル・高架橋・土工事の施工監理業務、地方公共団体及び地元協議など - 2017年
- 大阪支社(現北陸新幹線建設局)工事第二課
北陸新幹線(金沢・敦賀間)の鋼桁工事の発注業務、現場工事のバックアップなど - 2017年
- 大阪支社(現北陸新幹線建設局)小松鉄道建設所
北陸新幹線(金沢・敦賀間)の長大橋りょう・高架橋工事の施工監理業務、地方公共団体及び地元協議など - 2020年
- 東京都へ出向
鉄道の混雑緩和策についての研究会事務局や議会対応など - 2022年
- 東京支社 工事第二課
相鉄・東急直通線の開業に向けた監査対応、現場工事のバックアップなど - 2023年~
- 東京支社 調査第一課
現在の仕事

まとまった休みには妻と旅行に出かけたり、地域の音楽イベントなどに参加したりしてリフレッシュしています。