土木(設計) 蓄積された事例や技術的な知見、経験談を集め
鉄道建設の現場が直面している難題を解決する。
D.S 2013年入社 JRTTが建設している全線区の明かり構造物(橋梁など)の基礎および
土構造物の設計監理(取材時)
理工学部 都市システム工学科

仕事内容

これまでの設計基準を守りながら
新たな基準を作っていく仕事。

設計部での私の仕事は大きく分けて3つあります。1つめは、橋梁・高架橋の基礎構造物と、土構造物(盛土など)の設計計画の監理と技術面のアドバイスです。例えば、基礎の施工中に想定外の地質に遭遇した場合など、現地の建設所(※)や設計コンサルタントでは判断できない事案について、国土交通省等が監修する設計基準に基づいて考察し、対応策を進言します。これまでの設計基準を守りながら新たな基準を作っていく仕事と言えますね。
2つめは技術開発です。JRTTは研究開発の専門機関ではありませんが、鉄道建設の計画・調査・設計・施工監理のノウハウを50年以上に渡って蓄積しています。それらを活かして、現場で日々生じる新たな課題へ対応する技術開発に挑戦しています。
そして3つめが、講習会の開催と各種学会での発表です。講習会はJRTTの技術力の底上げが目的。土木系統の若手職員が対象で、土木構造物の設計要点など、アカデミックな内容が中心です。外部の企業・機関の要請を受けて開催することもあります。学会に発表する目的は自己研鑽と、公的機関として得られた知見を広く公開し、社会に貢献することです。これまでに学び、蓄えてきた技術と知識をさらに磨き、JRTTの財産として残すとともに社会に貢献していきたい、という想いで発表を続けています。最近では地域の地震特性をテーマに発表を行いました。
※ 建設所=鉄道建設の最前線で施工監理を担う現場事務所

仕事のやりがい

細い糸をたぐり寄せるように探った方法が
課題解決につながった時は最高にうれしい。

現在、最もやりがいを感じているのは、日本全国で土木工事を進めている建設所が直面している技術的な課題を解決することです。
建設所が設計部にアドバイスを求めるのは、現場は数十年というキャリアを誇る土木技術者でも判断がつかない状況にある、ということ。入社7年目の私が即答できることはほとんどありませんが、設計部のデータベースにはJRTTの鉄道建設に関するあらゆるノウハウと、これまで課題を解決するために開発した様々な技術に関する情報が蓄積されています。そこから過去の事例や文献を検索し、現場の状況を把握し、解決策を探ります。それで糸口がつかめなければコンクリート構造、耐震、地質、トンネルをはじめ、設計部に集まっている各分野のスペシャリストである先輩方に助けを求めたり、地方機関に問い合わせて同じような状況を経験したと思われる技術者を探したりします。
何日もかけてたぐり寄せた糸がぷっつりと切れてしまい、力不足を痛感することもありますが、だからこそ解決策が見つかり、現場の職員や技術者から「ありがとう、助かりました」の言葉をいただいた時は最高の気分になりますね。

仕事の進め方

分かるまで聞いて理解することが
一緒に仕事をさせていただく人に対する礼儀。

仕事を進めるうえで心がけているのは、相手を理解し私を知ってもらうための努力をすること。そして、勝手な憶測で行動しないことです。
お互いを知るために最も大切なのは、嘘をつかないこと、知ったかぶりをしないこと。相手の年齢や経験、ポジションに関係なく「分からないので教えてください」と素直に言える技術者でありたいですし、分かるまで聞いて理解することが一緒に仕事をさせていただく人に対する礼儀だと思います。
JRTTでは一定期間ごとに全国的な異動があり、技術系の先陣を切って建設予定地へ入る土木系統の職員は、地元の言葉や文化を学ぶことが最初の仕事になることもあります。私の場合は入社2年目に長崎県の大村鉄道建設所に着任した時がそうでした。地元の皆様向けに、工事を行う場所や期間、工事用車両の走行ルート、騒音対策、道路や水道の分断等について説明させていただいたのですが、地元の方の方言がほとんど理解できなかったのです。その時は先輩が解説してくれたので事なきを得ましたが、このままでは仕事にならないと思い、その後は地元の方と会うたびに自分から積極的に話しかけました。1年後にはほぼ理解できるようになっていましたね。
そうして土地に馴染んだことも、仕事の進め方を考えるきっかけになりました。これから先、どの部署へ行っても積極的に学ぶ姿勢を大切にし、信頼関係を構築できればと思っています。

ある1日のスケジュール

9:00 建設所からの相談対応のため、過去の事例や文献等を調査
11:00 建設所からの相談事項について方針を部内で打合せ
12:00 自作の弁当で昼食
13:00 学会の発表資料作成
15:00 設計打合せ
16:30 打合せで保留事項になった事柄を調査
17:40 終業

キャリア

2013年
九州新幹線建設局 工事第三課 九州新幹線西九州ルート(武雄温泉・長崎間)の設計監理および工事発注業務
2014年
九州新幹線建設局 大村鉄道建設所 九州新幹線西九州ルート(武雄温泉・長崎間)の福重高架橋、千綿トンネル工事の施工監理
2016年
本社設計部 現在の仕事
休日の過ごし方
長崎の大村鉄道建設所にいた時に先輩に誘われて始めたゴルフを楽しんでいます。首都圏では利用できるコースは限られますが、仕事仲間や学生時代の友人とラウンドしています。また、JRTTの寮はキッチンが広いので、本社勤務になってから本格的に料理を始めました。簡単な料理でもいい気分転換になりますし、余ったら弁当にできるのがいいですね。これからも続けていこうと思います。

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