土木(施工監理) 開業を迎えたこの駅が沢山の人で賑わい、
乗客の皆さんの喜ぶ声が聞けたら最高に嬉しい。
S.T 2015年入社 相鉄・東急直通線 新横浜駅(仮称)
土木工事の施工監理、行政協議、設計変更、資料作成業務(取材時)
理工学部 土木工学科

仕事内容

道路と歩道橋の真下で地下鉄の駅と交差する
相鉄・東急直通線の新駅の施工監理を担当。

2020年4月から、相鉄・東急直通線の新横浜駅(仮称)における土木工事の施工監理、行政機関および機構の各系統の担当者との協議・調整などの業務を行っています。全長約325m、最大幅約30mという規模のこの駅の場所は、東海道新幹線新横浜駅と北側で並行する道路(環状2号線)の地下約33m。現在、私が施工監理を担当しているのは地上と地下を結ぶ複数の出入口で、掘り進んだところからコンクリートの打設を行っています。
仕事のなかで最も多くの時間を費やしているのは、行政機関との協議です。この駅は市営地下鉄の新横浜駅と交差しており、その真上には円形歩道橋があります。また水道管などの埋設物も多いため、それぞれを所管する行政機関に対し、工事に関する説明や提案、許可申請を行いながら慎重に進めていく必要があるのです。「都市鉄道は関わる機関が多くて大変だぞ」と先輩や上司から聞いてはいましたが、これほどとは思わなかったですね。
その一方で機構の機械、建築、電気系統の担当職員との協議もあります。鉄道は土木だけでなく、他系統の技術力も結集することで初めて建設を行うことができ、上手く連携しながら業務を進める必要があります。そのため、施工ヤードや開口部の使用期間などについて情報を共有し、スケジュールを調整する必要があるのです。他系統との協議は、譲れないところを主張しながら落とし所を見つけていく作業。誰かが主張してばかりでは他系統との連携が上手く取れず業務が進まなくなってしまうので、経験・年齢は関係ないという意味でも、真のコミュニケーション力が要求される仕事と言えますね。

仕事のやりがい

現場に出るたびに新駅が完成に近づいていると実感。
開業後にここへ降り立つ日を想像しただけでワクワクする。

一番のやりがいは何といっても、設計図面どおりに完成に近づいていく過程を、現場で目の当たりにできることです。それを初めて味わったのは入社2年目に配属となった福井鉄道建設所で北陸新幹線(金沢・敦賀間)の竹田川橋りょうなどの施工監理を担当した時。自分の背よりも高い雑草が鬱蒼と生い茂っていた川沿いの土地がみるみるうちに整備され、基礎工事を終えた時には着工前の景色を思い出すのが難しかったほど。現場に出るたび、鉄道建設の圧倒的なスケールとスピードに驚きと感動を覚えていました。
先日、その担当工区を歩いてきました。毎日、地面を掘っていた場所にはコンクリートの橋脚が立ち、橋りょうの上には作業員の皆さんの姿が見えました。機構では一定期間ごとに全国的な転勤があり、一つの現場を一貫して担当することは難しいですが、後を託して離れた現場に戻り、出来上がった構造物を見た瞬間、当時を思い出して誇らしい気持ちになりました。
現在担当している新横浜駅(仮称)では、機械、建築、電気系統の工事も進んでいますので、現場に出るたびに完成が近づいていると実感できます。開業を迎えた後に相鉄・東急直通線に乗ってたくさんの人で賑わうこの駅に戻ってくることを想像しただけでワクワクしますね。その時「便利になったね」という利用者の皆さんの声が聞けたら、こんなに嬉しいことはありません。

仕事の進め方

残す。分かるように伝える。教わる。
これからもこの3つを忘れずに成長していきたい。

機構の土木技術者として、いつも意識していることは3つあります。1つは「残すこと」。私のバトンを受けた後任の担当者が困らないように、行政機関との協議の経緯や議事録などをきちんと整理して残しておきます。ペーパーも残しますが、データ化して担当工区の共有サーバーに置いておくのが基本です。こうしておけば、私も担当期間中はいつでも閲覧できますので、後任のためでもあり、自分のためでもあります。
2つめは「相手がわかるように伝えること」です。これは時と場所に関係なく言えることですが、特に意識しているのは、行政機関や地域の方などを現場へご案内する時。私自身、横文字が得意ではないので専門用語はなるべく使わず、工事の内容などを順序立てて説明します。先日、近隣の小学校の先生がお見えになった時には、子どもたちに伝わりますようにと気持ちを込めてお話させていただきました。人前で発表するのは苦手ですが、こういう役目は苦になりません。鉄道建設の現場を多くの人に知ってほしいという想いで取り組んでいます。
そして3つめが「教わること」。新人の頃は学ぶことが仕事でした。そのため、資料の探し方やその内容など、分からないことは先輩や上司をつかまえて教わっていました。入社してから5年が経過しましたが、教わる機会はさらに増えていますので、まだまだ周りの人たちに助けてもらいながら学び続けていくのだろうと思います。機構は50年以上も前から日本の鉄道建設を担ってきた公的機関。過去の実績から学ぶこともたくさんあるので大変ですが、困った時に少し声を張って独り言を漏らせば、誰かが拾って助けてくれるという社風が受け継がれています。今後は漏らすだけでなく、後輩の声も残さず拾いながら成長していきたいです。

ある1日のスケジュール

9:00 始業 メールチェックなど
9:30 自治体、鉄道事業者など、関係機関との協議
11:30 協議議事録の作成
13:00 担当工区の巡回・進捗確認、他系統との情報共有
15:00 次回の関係機関との協議用資料の作成
16:30 受注者と打ち合わせ
17:00 翌日の作業内容の確認
17:30 終業

キャリア

2015年4月
大阪支社 工事第二部 工事第四課
北陸新幹線(金沢・敦賀間)あわら市~福井市内の地質調査、詳細設計の発注及び設計変更業務
2016年4月
大阪支社 工事第二部 工事第五課
北陸新幹線(金沢・敦賀間)福井市内の地質調査、詳細設計の設計変更業務、工事発注業務
2016年8月
大阪支社 福井鉄道建設所
北陸新幹線(金沢・敦賀間)竹田川橋りょうの土木工事の施工監理、設計変更業務
2018年4月
東京支社 工事第二部 工事第三課
相鉄・東急直通線、新横浜駅(仮称)の設計変更業務、関係機関との協議及び資料作成、鉄道事業者および他系統との調整業務など
2020年4月~
東京支社 新横浜鉄道建設所
現在の仕事
休日の過ごし方
週末のどちらかは野球をしています。高校まで部活で真剣に打ち込んだ硬式野球を社会人のクラブチームで続けています。ポジションはセカンドとショート。楽しみながら長く続けていきたいですね。また、年に1度ですが、機構チームでも大会に参加して職場の仲間との野球も楽しんでいます。長期休暇は友達とドライブ旅行へ出かけることが多いですね。宿やスケジュールを決めず、気ままな旅を楽しんでいます。

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