土木(施工監理) トンネル建設の全工程を担当できるのは
JRTTの土木技術者をおいて他にない。
T.A 2013年入社 九州新幹線西九州ルート(武雄温泉・長崎間)武雄トンネル、
大山路高架橋土木工事の施工監理(取材時)
大学院 都市環境科研究科 都市基盤環境学域専攻

志望動機

全系統の先陣を切って現場へ入り、
異動を重ねながらすべての工程を担当できる。

JRTTの事業内容は、社会人博士課程を履修するために私と同じ研究室に在籍していたJRTTの土木系職員の方を通じて知りました。じっくりと話を伺う機会はなかったのですが、その方と出会わなければ就職のために企業理解を深めることはなかったかもしれませんね。
研究室では、トンネル・地下構造物の設計、施工、数値解析について学びました。山岳トンネルと市街地トンネルの模型を使い、地震発生時における地下構造物の挙動などを数値解析によってシミュレートしていました。さまざまな土木構造物のなかから研究対象をトンネルに絞ったのは、将来、仕事にできる可能性が最も高いと考えていたからです。他の選択肢としては橋梁やダムがありましたが、もう新しいものを積極的に作っていく時代ではありません。同じ理由で道路も今後、国内で規模の大きな新規建設を手がけるのは難しいと感じていたので、やるなら鉄道だと思っていました。
最終的にJRTTへの入社を決めたのは、鉄道建設という国家的なプロジェクトで、発注者側の土木系技術者として計画から設計、調査、地方公共団体や地元住民との協議、施工監理まで一貫して関わることができるからです。全系統の先陣を切って現場へ入り、全国的な異動を重ねながら経験を積んでいけるという点にも魅力を感じていました。

仕事内容

周辺環境と企業活動への影響に注意を払い
九州新幹線の山岳トンネルと高架橋工事を担う。

2022年の開業を予定している九州新幹線西九州ルート(武雄温泉・長崎間)の武雄トンネル(1,380m)と大山路高架橋(総延長2,442m)の土木工事の施工監理を担当しています。
武雄トンネルは中間地点に将来盛土が計画されている小土被り(地表からトンネルまでの深さが浅い)区間があり、なおかつその区間は沢地形となっていました。そのため、盛土による上載荷重の対策として、トンネルの断面も円形に近い形状にした特殊断面を採用しました。また、地下水対策として、防水シートをトンネル全周に設置することによって、トンネル内への水の流入を防ぐウォータータイト構造を採用しました。山岳トンネルでは、一般的に排水型の構造を採用しますが、排水型トンネルでは完成後に付近の地下水位が下がり、地下水の水利用を行っている地元企業の事業に何らかの影響を与える可能性がありました。武雄トンネルは2017年5月に掘削が完了し、現在は小土被り区間の覆工コンクリートの施工を行っているところで、それが終われば軌道が敷設される路盤鉄筋コンクリートの工事を残すのみです。2017年5月に現場へ入り、完成に近づいていくトンネルを毎日、胸躍るような気持ちで見てきましたが、いよいよ終盤に入ってきたな、というところです。
一方、トンネルや橋梁、切土路盤などから成る大山路高架橋工事は、現在トンネルや橋梁の下部工の工事が概ね完了し、RC桁・PC桁の施工を主に進めているところです。多様な構造物を有するため、様々な課題もありますが、土木技術者として非常に勉強になる工区を担当することができたと感じています。本工区は厳しい工期ですが、工事用車両の進入路を増やすなど、様々な工夫をこらしつつ、一歩一歩着実に工事を進めていきたいと思っています。

仕事の進め方

公平性、透明性が要求される仕事だから
現場で経験を積んで自信を得ることが大切。

JRTTの整備新幹線事業は、国と地方公共団体からの公費等を財源として取り組んでいるため、私たちの仕事には常に公平性と透明性が要求されます。土木工事は自然環境と密接に関わる仕事であり、予期しない事態に直面して設計変更が必要になることも少なくありませんが、その都度、確固たる理由と根拠が求められます。そして、理由と根拠を示すには経験に裏打ちされた自信が必要となります。ですから私は、現場でその日に見聞きしたことを忘れないようにしています。6年目の今も土木技術者としてはまだまだ未熟で、日々直面する課題に対して、他の現場や過去の資料、設計図などを調べても理解できず、ベテランの先輩や上司に教わりながらどうにか前に進めることができるということも少なくありません。でも、それが経験というものであり、時には辛い思いをして得た経験が自信の源になります。
ただ、鉄道建設は公的事業であるがゆえに、工期を厳守することが求められます。工事が始まった現場で、目の前の課題を解決するための方法を検討している時間はあまり多くはありません。そのため、私は公平性と透明性に加え、効率性――スピード感も常に意識しています。
今後の目標は、得てきた経験を自信に変えるためのチャレンジ、技術士資格の取得です。技術系国家資格の最高峰であり、準備ができていない今は憧れでしかありませんが、受験の意思を表明すれば、論文の添削をはじめJRTTが全面的にバックアップしてくれるとのことなので、近い将来チャレンジするつもりです。

ある1日のスケジュール

9:00 始業。建設所内で打ち合わせを行い、週間工程の共有等を行う。
10:30 水文調査を依頼している外部機関と定例の打ち合わせ。
13:00 施工現場の巡回・工事の立ち会い。
15:00 設計変更に伴う積算業務を行う。
17:30 終業。明日の予定を確認しておく。

キャリア

2013年
北海道新幹線建設局 工事第二課 北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)地質調査および立岩トンネル(立岩)の土木工事の発注業務
2014年
北海道新幹線建設局 八雲鉄道建設所 北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)立岩トンネル(立岩)の土木工事の施工監理および地元協議
2016年
北海道新幹線建設局 工事第五課 北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の役務(地質・環境調査)および土木工事の発注業務
2017年~
現在の仕事
休日の過ごし方
北海道の八雲鉄道建設所にいた時は妻とテニス。地元の方とも仲良くなって一緒に楽しんでいました。現在、毎週土曜日は親子スイミングに通っています。それ以外の休日は、車で祭りやイベントを見に出かけています。『佐賀インターナショナルバルーンフェスタ』と『唐津くんち』が特によかったですね。

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