鉄道海外展開・技術協力の具体的取組み

JRTTは、世界に誇れる高い鉄道技術力を有している日本において、唯一である鉄道建設の公的主体です。
日本の鉄道システムは、安全性、信頼性、省エネルギー性、環境性能等の面で優れており、特に新幹線鉄道については、世界で初めての高速鉄道として50年以上にわたり、着実に技術の進歩を重ねてきました。
これまでも、国内で培われた技術やノウハウを活用し、海外の鉄道整備に貢献しており、相手国の経済・社会の発展への寄与と地球環境に配慮した持続可能な交通ネットワークづくりに取り組んでいます。
海外高速鉄道調査等の実施など、鉄道システムの海外展開や技術を活かした国際協力について、具体的取組みを紹介します。

台湾高速鉄道プロジェクト

台湾高速鉄道は日本の新幹線システムが初めて海外に輸出されたもので、2007年に開業しました。JRTTはプロジェクト計画段階の1988年から、技術者を派遣し協力を行ってきました。
具体的な協力として、調査段階における事業可能性調査への技術者の参画から始まり、入札段階における提案書に対して技術的見地からの助言・精査、新幹線システムの導入決定以降は、システムの根幹である軌道や電気系統の技術者を長期専門家として多数派遣し、建設段階及び開業前の総合試験での技術的支援も行いました。
このプロジェクトは、日本の新幹線システムが輸出された成功事例であるとともに、JRTTとしても国内で培われた鉄道建設の総合的な技術・ノウハウを計画段階から開業まで活かせた成功事例として考えております。

台湾高鉄
台湾左営駅

インド高速鉄道プロジェクト

インド高速鉄道ムンバイ・アーメダバード間については、2015年12月の日印首脳会談に際し、両国政府間で新幹線システム導入に関する覚書が締結され、同路線で日本の新幹線が導入されることになりました。
JRTTは、プロジェクトの調査段階における事業可能性調査や構造物の詳細設計について、鉄道の専門家を派遣し積極的に協力しております。同路線の開業に向けてプロジェクト進行中の現在では、事業主体であるインド高速鉄道公社へ鉄道に関する総合的なアドバイザー・専門家として、技術者を派遣しております。他方で、国内ではインドからの研修員を受け入れ、新幹線建設現場を案内し、建設における安全性についても理解を深めてもらっています。

インド調査
インド調査

鉄道計画の調査等

各国・各地域で予定されている高速鉄道の計画や鉄道整備について、事業の実現に向けた検討や調査等へ参画しています。
日本の新幹線システムによる高速鉄道の整備に向けて、タイ高速鉄道バンコク・チェンマイ間やマレーシア・シンガポール間高速鉄道をはじめとし、実施国や国土交通省との関係者協議や技術系職員の専門家派遣を通じて参画しています。
また、海外における高速鉄道の事業費削減に関する検討調査やJICAの鉄道整備に関する業務を実施するなど、海外事業の日本の事業者の参入に向けた取組みを行っています。
そのほか、鉄道分野における国際規格策定に向けた国内委員会に参画し、軌道や電気の技術などの国際標準化の推進に貢献しています。

東南アジア
ベトナム

国際学術会議・技術交流

世界の鉄道技術関係者との交流を図り、日本の鉄道システムの海外展開の一助となるほか、JRTTの鉄道建設に関する技術力についてアピールすること等を目的として、国際学術会議等へ参加し、講演やプレゼンテーションを実施しています。

IHRA国際フォーラム講演
スウェーデンとの技術交流

日本における視察・研修の受入れ

日本の鉄道システムの海外展開に向けては、国土交通省をはじめとし、国際協力機構(JICA)、海外鉄道技術協力協会(JARTS)、鉄道事業者などの関係者と連携を図りつつ、各国・地域の研修員等の受入れを行っています。
視察においては、建設が進む整備新幹線や都市鉄道の現地を案内することで、鉄道建設の技術力を間近で感じ取ってもらうこととしています。
研修においては、鉄道建設に関して事例を交えて技術を紹介するなどにより、各国・地域の鉄道関係者に対して必要な技術の理解促進に努めています。

インド研修受入