SOx規制強化対策相談窓口
~共有船舶のSOx規制強化対策を支援~
鉄道・運輸機構では、共有船主によるSOx規制強化対策の支援のため、今般、「SOx規制強化対策相談窓口」を設置しました。
2020年1月1日から強化される船舶のSOx規制に関しては、国土交通省海事局から規制適合舶用燃料油使用手引書が公表されるなど、種々の対策が本格化しているところですが、当機構においては、既存の共有船舶において燃料をC重油から低硫黄C重油※へ切り替える際にエンジン等の改造が必要か否かを各エンジンメーカーから聴取した結果、ほぼ改造なしに対応が可能との見通しを得ました(詳細は別添「2.低硫黄C重油への転換について」参照)。
※低硫黄C重油は動粘度20cSt(@50℃)以上、流動点30℃以下のものを想定。
また、この機会に併せて、労働負荷の軽減が図れるA重油への転換を促進するため低硫黄A重油へ切り替えた場合についても同様の調査を行った結果、ほとんどの船舶で支障が無いことが確認できましたが、特定のメーカーの旧式又は限定された機種を搭載している一部の船舶には、長期間使用した場合に部品交換等が必要となるものがあることも確認できました(詳細は別添「3.低硫黄A重油への転換について」参照)。実際にA重油への切替えを行う場合には注意が必要です。
これら調査結果の周知とともに、改造が必要となるケース等において共有船主の個別のご相談に対応するため、今般、下記の相談窓口を設置いたしましたので、お知らせいたします。ご質問、ご相談等あればお気軽にご連絡下さい。
機構では、SOx規制強化に対して共有船主の皆様が円滑な規制対応ができるよう、一層の支援の充実に努めて参ります。
<SOx規制強化対策相談窓口>
船舶共有建造支援部 技術企画課 TEL: 045-222-9124
別添
共有船に搭載されている主機メーカーへの聴取結果
1. 調査対象としたエンジンメーカー
C重油を燃料油とする共有船の主機メーカー12社を対象。そのうち回答が得られたのは、以下の11社(残りの1社は共有船主に直接対応するとの回答)。
阪神内燃機工業(株)、ヤンマー(株)、(株)赤阪鐵工所、新潟原動機(株)、ダイハツ(株)、JFEエンジニアリング(株)、(株)マキタ、(株)三井E&Sマシナリ-、日立造船(株)、(株)ジャパンエンジンコーポレーション、(株)ディーゼルユナイテッド。
2. 低硫黄C重油への転換について
現在想定されている性状(動粘度20cSt(@50℃)以上、流動点30℃以下)であれば、いずれの社も改造は不要との回答。ただし、一部のメーカーが長期間の使用に備えた対策としてドック入れ等のタイミングで部品交換(燃料噴射ポンプのプランジャー等)を推奨。
また、使用に当たっては、エンジン入口での動粘度(下限は2cSt以上)を確保するため適切な温度管理を要求するとともに、潤滑油に関しても適切なTBN(アルカリ価)の潤滑油の使用を推奨。
3. 低硫黄A重油への転換について
ダイハツ及びヤンマーの一部のエンジンには、長期間の使用に備えた対策として燃料噴射ノズル等の交換が必要なものがある。
該当する船舶の共有船主には既にそれぞれメーカーから個別に説明済みとのことであるが、機構からも個別に注意喚起の連絡を行う。
その他のメーカーは改造不要との回答。ただし、低硫黄C重油へ転換する場合と同様、ドック入れ等のタイミングでの部品交換、燃料油の適切な温度管理及び適切なTBNの潤滑油の使用を推奨。