北陸新幹線(高崎・長野間)

開業日:1997年10月1日

整備新幹線で初めて開業した路線である北陸新幹線(高崎〜長野)は、冬季オリンピックの大量輸送に貢献し、首都圏と信州を結ぶ所要時間が大幅に短縮され、経済や観光などでの交流が活発になり地域の発展に寄与してきました。

概要

北陸新幹線(高崎・長野間)は、上越新幹線として開業している高崎駅(高崎市)と長野駅(長野市)を結ぶ延長117kmの路線です。 平成元年6月に高崎・軽井沢間が、平成3年8月に軽井沢・長野間が、工事実施計画の認可を受け着工し、平成9年10月1日に整備新幹線で初めての路線として開業しました。東京~長野は最速1時間23分で結ばれることになり、開業前より約1時間30分の大幅な時間短縮となりました。日常的な生活行動圏が大きく広がり、旅行先での滞在可能時間も増え、日帰り出張、複数箇所への訪問、遠方での会議への参加など、ビジネスや広域的観光が便利になりました。そして、日常生活における活動機会の多様化、余暇活動選択肢の多様化、居住スタイルの多様化をもたらしております。

構造物の構成は路盤約19.1km(約15%)、トンネル約63.4km(約51%)、橋りょう約11.7km(約9%)、高架橋約31.5km(約25%)となっています。約22kmにわたる30‰(パーミル)の連続急勾配を採用したルートとなっていることも特徴のひとつです。駅部は、高崎駅(併設)、安中榛名駅(新設)、軽井沢駅(併設)、佐久平駅(併設)、上田駅(併設)、長野駅(併設)及び東京駅(ホーム増設)となっています。

新たに開発された技術

大型機械でのトンネル施工

五里ヶ峰トンネルは、延長15.2kmの山岳トンネルです。6ブームガントリージャンボや25tダンプなどの大型機械を導入、機械の効率的な組み合わせやシステムの改善によって過去の実績では困難であった月進150m以上の急速施工が可能となり、約3年半で掘削を完了しました。平成6年10月には、戸倉工区で月進281mの驚異的な掘進記録を更新しました。高速施工と経済性を実現しました。


五里ヶ峰トンネルでの6ブームガントリージャンボ

38番高速分岐器の採用

高崎駅から3.3kmの地点で列車が上越新幹線から長野方面へ分岐する際、できるだけスピードダウンによる時間ロスを少なくするため、新たに開発された国内最速(通過速度160km/h、長さ135m)の高速分岐器である38番分岐器を設置しました。


38番高速分岐器(高崎~安中榛名間)

掘削覆工併進工法

秋間トンネルでは、大型シールド機を用いて掘削と覆工を同時に行い、発生土は空気カプセルで搬出する新技術を導入しました。

秋間トンネルのシールドマシン

ギャラリー


長野駅でのあさま出発式

霧積川橋りょう(安中榛名〜軽井沢間)
屋代橋りょう(上田〜長野間)

第二千曲川橋りょう(新幹線初のPC斜張橋)

鉄道建設