用地取得の流れ
鉄道を建設するために必要な用地の取得について、主な業務を紹介します。
用地取得業務の流れ
公共事業の施行者は、鉄道、道路等の公共施設の建設に際し、当該施設を公共の用に供するために、建設事業に必要な土地を取得又は使用し、支障する物件・権利等を除去又は制限する必要があります。また、土地等の取得に際しては、土地の所有者や物件の所有者等の権利者(以下「権利者」という。)に対し、権利者が被る損失に対して正当な補償をさせていただきます。このような取得から補償までの一連の作業を、一般的に用地取得業務と称しています。
用地補償のあらまし
鉄道の建設にあたりましては、やむをえず皆様の貴重な土地等をお譲りいただいたり、地下の使用をさせていただかなければなりません。その際、土地所有者、建物所有者等の権利者の皆様には、次のような手順で補償が行われることとなります。
次のような調査・測量が行われます。
- 土地・建物等に権利をお持ちの方の調査
(公図・登記簿等による) - 調査を踏まえた、聞き取りによる確認
(登記されていない借地権、地上権、地役権等の有無の確認を含む) - 建物・工作物・立木等物件の調査
(構造・材質・現況等詳しく調査) - 営業用建物等の移転の場合、必要に応じ営業実態等の調査
- 補償金算定基準
公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱(昭和37年閣議決定)に基づき算定 - 補償対象者
土地所有者、借地権者、建物・工作物等物件の所有者、借家人等 - 適正な土地価格評価
(取引事例、公示地価格・基準地価格、鑑定評価の比較検討)
- 区分地上権設定補償額の算定
(地下に鉄道構造物を設置するための権利の確保に対し、適正な補償率により補償) - 建物等、土地以外のものに関する補償額の算定
- 建物・工作物等の移転補償
- 動産移転補償
- 仮住居の補償
- 家賃減収補償
- 借家人補償
- 営業補償
- その他の補償
- 補償金提示
- 補償内容説明
補償金につきましては、「土地保有者」「借地権者」等各権利者の皆様へ担当の職員がお伺いして、十分ご説明のうえ、ご了解を得て契約を締結し、補償金をお支払いいたします。
- 土地売買契約
土地所有者と「土地売買契約書」を取り交わします。
借地権がある場合は、借地権割合を決定し、借地権者と「借地権消滅補償契約書」を取り交わします。
- 区分地上権設定契約
土地所有者と「区分地上権設定契約書」を取り交わします。
- 建物等、土地以外のものに関する補償については、それぞれの権利者と契約書を取り交わします。
- 土地等に抵当権等の担保物権が設定されている場合は、あらかじめ所有者と抵当権者とが話し合いいただき、「抹消登記」を行っていただきます。
- 契約書には実印を使用し、印鑑証明書を添付していただきます。
- 登記手続は機構で行います。
- 建物移転等につきましては、皆様で実施していただきます。
- 補償金は、登記手続及び建物等移転完了後、お支払いいたします。
- 補償金のお支払いは、権利者の方の請求により原則として銀行振込によりお支払いいたします。
【税金の特例措置】
これらの補償金について一定の要件に当てはまる場合には、
- 5,000万円の特別控除の特例
- 代替資産を取得した場合の課税の特例
(1 ・ 2 は、いずれかの選択となります)
等の税法上の特別措置を受けることができます。
詳細については、所轄税務署とよくご相談をお願いいたします。