土木と建築の融合

ハイブリッド駅構造

従来の相対式2面2線の高架橋に設けられた駅は、駅部の土木建造物の上にホーム及びホーム上家を構築し、その土木構造物の外側に外装下地を組んで建築仕上げを行うのが一般的です。これに対して、新構造では、荷重の大きな軌道部分は従来のRC造の土木構造物とし、荷重の小さなホームを支える外壁側の柱及びホーム上家は建築構造物(鉄骨構造フレーム)とします。 従来のRC造の土木構造物と、新しい発想による鉄骨構造フレームという、異なった構造を併せ持つことから、この新構造を「ハイブリッド構造」と呼んでおり、これまで九州新幹線の出水駅と新玉名駅、つくばエクスプレスの5駅に採用しました。なお、従来の構造との主な違いは下表のとおりです。

従来構造とハイブリッド構造の比較

従来構造 ハイブリッド構造
略図
:土木く体
:建築く体
従来構造 ハイブリッド構造
施工の区分 ・軌道及びホームを受ける部分全体は土木施工、その上の旅客上家は建築施工
・土木工事終了後に建築工事となる
・軌道を受ける部分のみ土木施工となり、それを覆うように建築の構造体や外装が施工される
・駅の平面計画が確定する前に土木施工を開始することも可能
外観デザイン 高架橋の柱、梁に合わせた外観となり、画一的なデザインとなりやすい ・建築の柱、梁がスレンダーになる
・高架橋の柱が内包されるので外観デザインの自由度が高くなる
駅レイアウトの自由度 高架橋の柱と梁により昇降設備の配置が制約される 昇降設備の位置取りが土木構造物に左右されないことから、乗降人員に見合った規模の駅にすることが容易
経済性 駅部構造コストに占める土木構造物の割合が高い(土木9割:建築1割) 外側2柱分の土木く体(RCの柱、梁及び杭)が建築く体(鉄骨の柱、梁及び杭)に置き換わることで建築の構造コストは約3倍になるが、土木と建築のトータルの構造コストは低減する

鉄道建設