青函トンネル
青函トンネル
青函トンネルは、津軽海峡を横断し本州と北海道を結ぶ延長53.85kmの長大海底鉄道トンネルです。昭和29年、台風による青函連絡船洞爺丸沈没という世界的にも大きな海難事故を契機として建設が促進されました。海底部の掘削では4度の大出水事故による水没の危機を初めとした難工事の連続でしたが、様々な技術開発や工事関係者の努力と奮闘の末、昭和58年に先進導坑、昭和60年には本坑が貫通し、昭和63年に津軽海峡線として開業しました。開業後28年を経た平成28年3月には、北海道新幹線(新青森・新函館北斗間)が開業し、青函トンネルはその一部となりました。日本の国土を一体化させた意義は大きく、日本の20世紀遺産20選にも選ばれております。
青函トンネル断面図
平成28年3月青函トンネルを通過する新幹線
貸付鉄道施設改修事業(青函トンネルの機能保全に係る防災事業)
現在、青函トンネルの設備は、列車運転に必要な設備とトンネルや列車輸送の安全対策に必要な防災設備などから構成されています。これらの設備は経年劣化が見られ、開業後10年を期に行った調査結果に基づき、平成11年度からトンネル機能を保全するための改修工事を実施しております。
これまでにトンネル内のポンプなどの排水設備及び赤外線センサーなどの列車火災検知装置の更新、並びに、先進導坑の補修といった改修工事を実施してきました。なお、車両が通行する本坑では有害なクラックなどの劣化は確認されておりません。
列車火災検知装置
トンネル湧水を排水するポンプ
竜飛先進導坑補修前
竜飛先進導坑補修後
貸付鉄道施設改修事業(青函トンネル施設改修事業)の事業費
(単位:億円)
令和6年度事業費 | 国(補助金) | 特例業務勘定からの繰入金 |
---|---|---|
11 | 8 | 4 |
(注1)国(補助金) 2/3、特例業務勘定からの繰入金 1/3
(注2)単位未満四捨五入につき、必ずしも合計は一致しない。
青函トンネルに関連する受賞一覧
受賞年 | 制定者 | 賞種別 | 受賞業績名 |
1980(昭和55)年 | 土質工学会(現 地盤工学会) | 技術賞 | 青函トンネルにおける注入の設計、施工法 |
1980(昭和55)年 | 土木学会 | 技術賞 | 新たに開発された吹付けコンクリート工法のトンネル工事への応用 |
1983(昭和58)年 | 土木学会 | 技術賞 | 青函トンネル先進導坑の建設 |
1985(昭和60)年 | 運輸大臣 | 運輸大臣賞 | 青函トンネル貫通の功績 |
1986(昭和61)年 | ジェノバ市 | クリストファ・コロンボ賞 | 青函トンネル |
1987(昭和62)年 | 北海道新聞 | 文化賞、科学技術賞 | 青函トンネルの完成 |
1988(昭和63)年 | 土木学会 | 技術賞 | 青函トンネルの建設 |
1988(昭和63)年 | 内閣総理大臣 | 内閣総理大臣顕彰 | 青函トンネルの完成 |
2013(平成25)年 | 土木学会 | 技術賞 | 青函トンネルの耐久性能の検証・評価による健全性の確立 |
2016(平成28)年 | 土木学会 | 技術賞 | 北海道新幹線(新青森・新函館北斗間)開業―津軽海峡線開通より28年、本州と北海道を結ぶ高速鉄道新時代― |
2017(平成29)年 | 国際記念物遺跡会議(イコモス) | 日本の20世紀遺産 | 世界最長の海底トンネル |